ロシア議会が仮想通貨規制法案の最終審議へ
ロシア下院議会は、暗号資産の法制化に向けた「デジタル通貨およびデジタル権利に関する法案」の第2読会および第3読会の審議を進めている。
BREAKING: 🇷🇺 Russia's parliament votes Tuesday on a bill that would let companies use crypto for cross-border trade. pic.twitter.com/p74YrKiCkW
— Ash Crypto (@AshCrypto) July 20, 2026
ロシア議会は火曜日、企業が国境を越えた取引に仮想通貨を使用することを認める法案について採決を行う。
下院金融市場委員会のアナトリー・アクサコフ(Anatoly Aksakov)委員長によると、今回の提案が採決を経て順調に進めば、同法案の主要規定は2026年9月1日より施行される見通しだ。
今回の法案可決は、長年慎重な態度を保ってきたロシアにおける暗号資産規制の大きな転換点となる。すでにプーチン大統領が署名したマイニング合法化法案に続き、国家管理下での実用化に向けた包括的な枠組みが完成しつつある。
法案の骨子:国内決済は不可、クロスボーダー取引へ限定活用
新法案において、暗号資産は法定通貨ではなく財産(資産)として位置づけられる。ロシア国内での商品やサービスの支払いは引き続きルーブルのみに制限され、暗号資産による日常的な国内決済は固く禁止される方針だ。
一方で、最大の目的は国際貿易=国境を越えた決済における活用にある。国際的な決済網(SWIFT)からの排除や欧米による制裁に対応するため、中国やトルコといった主要貿易相手国との取引において、制裁を回避・緩和する代替決済手段として法的に容認する考えだ。
投資家への影響と市場参加の厳格な制限
法案は市場の透明性を高める一方、個人投資家(非適格投資家)には厳格な保護措置と取引上限を設けている。
取引プラットフォームの規制: 国内で運用されるすべての取引所、ブローカー、カストディ事業者はロシア中央銀行のライセンス取得が必須となる。
非適格(個人)投資家: 認可された仲介業者を通じた年間購入限度額は30万ルーブル(約3,800ドル)に制限される。
適格投資家: 購入上限は300万ルーブル、国際送金上限は100万ルーブルとされ、より広範な取引が認められる。
報告義務: 従来のウォレットアドレス個別の開示義務は見直されたものの、残高や取引実績の定期報告が義務付けられる。
財務省の推計では約2,000万人のロシア国民がすでに暗号資産を保有しているとされるが、国内での利用制限や取引上限により、一般消費者レベルでの急激な普及は抑制されるとみられる。
グローバル市場と地政学的インサイト
ロシアが暗号資産を国際決済手段として法的に位置付ける動きは、世界市場にとっても大きな意味を持つ。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)やステーブルコインが、非欧米圏における「中立的かつ国境のない決済インフラ」として機能しつつある現状を裏付けるものだ。この動きに連動し、暗号資産マイニングや国際決済プロトコル関連企業への評価が高まる可能性がある。
また、米国における「CLARITY法案」をはじめとする世界各国・地域の規制整備の動きと対照的であり、主要国によるデジタル資産の主導権争いが一段と鮮明化している。ただし、二次制裁の懸念や地政学的な緊張、ロシア中央銀行による厳格な監視体制が、実際の運用における障害や不確実性として残る点には注視が必要だ。
























