ロシアの「仮想通貨女王」、投資家を騙してウクライナ軍に資金提供=仮想通貨詐欺で懲役10年か

ロシアの仮想通貨女王が仮想通貨詐欺で懲役10年を科される可能性

ロシアのインフルエンサー、ヴァレリア・「ビットママ」・フェディヤキナ(Valeria “Bitmama” Fedyakina)容疑者は、国境を越えた支払いに関わる2,200万ドル(約33.5億円)の仮想通貨詐欺で懲役10年を科される可能性が浮上している。

SNSで“ビットママ”という名前で知られる同容疑者は、ドバイ、モナコ、モスクワ、セルビア、トルコにオフィスを持ち、定評のある仮想通貨の専門家を装い、4人のビジネスマンらに対し、て何百万ドルものお金を自分に託すよう説得していた。同容疑者は、偽の支払い計画で、エネルギー輸送による追加収入を主張。報道によると、ロシアとウクライナの戦争が続く中、ウクライナ軍に資金を提供したと報じられているが、現在の告発は仮想通貨詐欺と欺瞞にのみ焦点を当てている。現在同容疑者は、2,200万ドルの仮想通貨詐欺で懲役10年を科される可能性があり、法執行機関は以前、反逆罪で疑っていたが、最近、経済犯罪のみで告発。偽の国境を越えた支払い計画で少なくともロシア捜査委員会の文書によると、4名の被害者をだました疑いがもたれている。

国境を越えた支払い詐欺

米・大手メディアであるニューヨークポストの報道によると同容疑者は、2,200万ドルの仮想通貨詐欺の容疑で裁判にかけられる予定だ。

同容疑者は2023年9月、UAEアラブ首長国連邦行きの飛行機でロシアを出国しようとしていたところを逮捕され、公判前拘留され、11月に正式に起訴される予定で、有罪判決を受けた場合は最長10年の懲役刑を受ける可能性が濃厚だ。法執行当局は2023年9月に同容疑者を逮捕し、同国の訴訟は詐欺被害に遭ったビジネスマン4人の証言に基づいている。詐欺行為の中心は、国境を越えた支払いでの仮想通貨の使用であった。ロシアは現在、ウクライナ侵攻以来国際制裁下にあり、仮想通貨は個人や機関のユーザーがこれらの制裁を回避するのに役立つ可能性がある。同容疑者は、まさにこの使用事例の仲介者を装っていたとされている。

詐欺被害に遭った4人の被害者によると同容疑者は、ロシアのビジネスマンが仮想通貨を介して海外に資金を移動できるよう支援できる国際的な起業家および投資家であると自称。被害者によると、同容疑者に送金した現金を仮想通貨に換金すれば、1%のボーナスがもらえると約束。このサービスには料金を請求しないと主張し、“取引を有利にする”と約束したが、複雑なエネルギー計画のおかげで実際には被害者らは追加料金を支払っている。しかし、同容疑者はすべてを盗んだとみられている。

盗んだ資産でウクライナの戦争資金を調達

報道によると、同容疑者の犯罪はもっと進んでおり、これらの資産でウクライナの戦争資金を調達しようとしていたという。

この主張は以前の報道にも登場しており、検察は同容疑者を疑っていたが、ロシアの国営通信社TASSの最新報道は、裁判所の文書から、以下のように広範囲で引用している。

捜査機関は、詐欺、つまり他人の財産を欺いて盗むという、特に大規模な行為を行ったヴァレリア・セルゲエヴナ・フェディヤキナ容疑者に対する刑事事件の捜査を完了した。最終版では、彼女は4件の詐欺行為を犯したとして起訴され、事件の被害者として4人が認定された。

ここで注目したいのは、大逆罪については何も言及されていない点であり、TASS は、同容疑者は逮捕時に妊娠しており、その後出産したと報じており、同容疑者は、これらの理由で、刑の軽減または延期を要求できる可能性もある。しかし、同容疑者のケースは、少なくとも、仮想通貨業界における特別な危険を表しており、巧妙なフィッシング攻撃が増加してするなか、同容疑者の活動はロシアでの非常に現実的な使用例に基づいていた。

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