インド政府が仮想通貨に関するテクニカルペーパーをIMFとFSBに要請
インドは、IMF(国際通貨基金)とFSB(金融安定理事会)に対し、インドが議長国を務める財務大臣と中央銀行総裁のG20会議の一環として、暗号資産に関する「統合文書」を作成するよう要請した事が分かった。
G20 India「Media Briefing by Presidency 1st G20 FMCBG Meeting,Bengaluru(February 25, 2023)」より動画引用
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インド政府は、2月24~25日にバンガロールで開催されたG20会議に続き、25日に「G20 Chair’s Summary and Outcome Document(日本語訳:G20 議長の要約と成果文書」を発表。議論されたトピックの中に仮想通貨への規制が含まれており、インド財務省は次のように述べている。
これは、暗号資産に対する調整された包括的な政策アプローチの策定に役立つだろう。
G20 会議の一環として仮想通貨に関連する協力を要請
G20会議の一環としての仮想通貨規制に関するパネルディスカッションでインドは、IMFとFSBが暗号資産に関連するテクニカルペーパーで協力することを要求した。
要約文書によると、IMFとFSBは、2023年9月に、暗号資産のマクロ経済と規制の観点を統合した統合ペーパーを共同で提出する計画だ。同文書は、FSBがグローバルなステーブルコインの規制、監督、監視に関するハイレベルの推奨事項を最終決定する予定とのこと。2023年7月までに、暗号資産市場と活動の規制、監督、監視に関する高レベルの推奨事項をまとめ、さらにBIS(国際決済銀行)は、暗号資産に関連する分析的および概念的な問題と考えられるリスク軽減戦略に関するレポートを提出する予定とのことだ。
インドの財務省も同日、G20財務大臣と中央銀行総裁の会議に続いて声明を発表しており、次のように述べている。
政策枠組みの必要性に関する進行中の対話を補完するため、インド大統領はIMFとFSBによる共同テクニカルペーパーを提案しました。これは、暗号資産のマクロ経済と規制の観点を統合するものです。
インド政府は暗号資産の広範な採用も望む
インドは、暗号資産に関するG20の議論の範囲を拡大し、金融の完全性に関する懸念だけでなく、マクロ経済への影響と、経済全体での仮想通貨の広範な採用を包含することを目指している、とインド財務省は声明の中で主張している。
インドのニルマラ・シタラマン(Nirmala Sitharaman)財務相は、インドが議長国を務めるG20会議では仮想通貨が優先事項になると何カ月も前から述べている。同相は2022年10月、インドは暗号資産の技術主導の規制枠組みまたは標準運用手順に到達することを望んでいると述べていたほか、仮想通貨に関する国際協力を繰り返し求めていた。IMF理事会は、各国が効果的な暗号政策を策定するのを支援するためのガイダンスを発表。暗号資産に公式通貨または法定通貨の地位を付与すべきではないと勧告することに加え、厳格な禁止は最善の選択肢ではないが、的を絞った制限が適用される可能性があることに同意している。