コインベースが量子脅威に備え量子リスク委員会を設置

量子コンピューターとビットコインを象徴的に描いた未来的イメージ。コインベースが量子脅威に備える動きを示すビジュアル。

コインベースが量子脅威への備えを本格化し業界のセキュリティ強化を主導する

コインベース(Coinbase)は量子コンピューティングが将来的にブロックチェーンの暗号技術へ影響を及ぼす可能性を見据え量子リスクを評価する独立委員会を設置したと発表した

委員会には量子計算と暗号技術の専門家が参加し技術進歩に備えるための指針をまとめ業界へ提供する。

量子脅威への備えが本格化

委員会にはスコット・アーロンソン(Scott Aaronson)氏、ダン・ボネ(Dan Boneh)氏、イェフダ・リンデル(Yehuda Lindell)氏など米国の主要大学の専門家に加えてEthereum Foundationの研究者であるジャスティン・ドレイク(Justin Drake)氏が参加する。コインベースは量子計算が医療や金融など複数分野へ影響を与える可能性があり特に楕円曲線暗号へ依存するブロックチェーンは長期的に注意が必要だと説明した。

現時点で暗号を破る規模の量子コンピューターは存在していないが同社は早期の対策が不可欠だとしている。委員会は来年初めに初となるポジションペーパーを公表し量子耐性強化に向けたロードマップを示す予定だ。コインベースは内部鍵管理の改良や耐量子署名方式の研究にも取り組んでおりネットワーク全体を強化する戦略を進めている。

投資家の不安と量子議論の拡大

量子計算が仮想通貨を構成する暗号基盤へ影響を与える可能性をめぐり投資家の間でも議論が広がっている。

ジェフリーズのストラテジストであるクリストファー・ウッド(Christopher Wood)氏は将来的な公開鍵推測リスクを理由にビットコインをモデルポートフォリオから除外した。コインベースの試算では旧形式のウォレットを中心に供給量の20~50%が長距離量子攻撃に脆弱となる可能性がある。

楽観的な見方も存在する

マイクロストラテジーのマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏は、量子技術はネットワークのアップグレードを促し結果的にビットコインのセキュリティが強化されるとの見解を示している。

実用化は先だが長期的なリスク管理が焦点に

コインベースの最高情報セキュリティ責任者ジェフ・ルングホファー(Jeff Lunglhofer)氏は、量子コンピューティングは将来的に現在の暗号化メカニズムを破る可能性があると明確に指摘している。

同氏は、ウォレットの秘密鍵を保護する仕組みを含め、仮想通貨の基盤技術は通常のコンピューターでは「解くのに数千年かかる」複雑な数学的問題に依存しているものの、量子技術が進歩すればこれらを解読できる潜在能力を持つと説明した。

ただし、この脅威が実用レベルに到達するには依然として時間が必要であり、誇張された見方に流されず長期的な備えを進める姿勢が重要だと強調している。将来の対策としては、より大きな秘密鍵の採用や、鍵探索を妨害するノイズ手法なども議論されているが、実装には相応の時間を要するとしている。

一方、コインベースは量子リスクへの対応と並行し、ブロックチェーンを活用したトークン化戦略にも取り組んでいる。同社は政策文書の中で、世界の資本市場におけるアクセス格差の解消を目指す方針を示しており、各国で投資環境に大きな差が存在する現状に言及した。ブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)CEO(最高経営責任者)は、投資機会が才能ではなく出身地によって制限されている点が課題だと指摘し、より多くの人々がグローバルな成長機会に参加できる仕組みづくりの重要性を訴えている。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム