台湾政府が外貨準備の再構築に向けビットコインを戦略資産として正式に検討
台湾は、外貨準備の大半を占める米国債への依存と新台湾ドルの変動を背景に、ビットコイン(Bitcoin/BTC)を補完的な国家準備資産として評価する正式なプロセスに入った。
🚨 A major milestone for #Bitcoin in Asia.
The Premier and Central Bank of Taiwan have agreed to study Bitcoin as a strategic reserve, draft pro-Bitcoin regulations, and pilot BTC treasury holdings starting with seized Bitcoin.
This is led by @dAAAb and supported by @Excellion. pic.twitter.com/82A1UgBXAZ
— JAN3 (@JAN3com) November 12, 2025
台湾首相と中央銀行は、ビットコインを戦略準備金として検討し、ビットコインを支持する規制を策定し、押収したビットコインを資金源としたBTCの国庫保有を試験的に開始することで合意しました。
行政院と中央銀行が協議し、ビットコインを戦略的準備資産として検討対象に位置づけたうえで、押収されたビットコインを活用した試験運用についても合意したと報じられている。
台湾では、法執行で押収されたビットコインを用いて、運用手順やリスク管理を確かめるパイロットプログラムを実施する案が示されている。本来はオークションで売却される予定の資産を使い、財務処理や管理プロセスを試験的に確認する構想だ。
米ドル依存と通貨変動が促す国家準備金の再構築
台湾の外貨準備高は約5,770億ドル(約89兆円)に上り、その約92%を米国債が占める。また、約423トンの金も保有しており、準備資産はドル建て資産と金に大きく依存した構成となっている。
新台湾ドルは一日に5%の変動を経験する局面もあり、世界的なインフレや地政学的な緊張が既存の準備戦略に圧力をかけていると指摘されている。
立法委員のジュチュン・コー(Ko Ju-chun)氏は、この集中が台湾にとって脆弱性になり得るとし、中央銀行に対してビットコインを準備資産の選択肢として評価するよう求めてきた。ビットコインの固定された供給量と分散型構造は、中央銀行の金融政策とは独立して機能する点が特徴とされ、既存のドル建て資産や金を補完する資産としての可能性が議論されている。
行政院と中央銀行はこうした提案を受け、ビットコインを含む準備資産構成の見直しに向けた正式な評価作業を進めている。中央銀行総裁の楊金龍氏は、国会での質疑に対し、この問題に関する調査報告書を年末までに示す意向を表明している。
押収ビットコインを活用したパイロットと国際事例の影響
台湾政府が検討しているのは、既存資産を全面的に入れ替える構想ではなく、価値保存手段を多様化するためにビットコインを追加する枠組みだ。
ビットコインを準備資産として扱うかどうかを判断する前段階として、押収されたビットコインを用いたパイロット運用が計画されている。ここでは、財務処理のフローやカストディーの方法、リスク管理プロトコルなどを試験することが想定されている。
米国や中南米の動きが政策議論の比較対象となる
台湾での議論には、他国の事例も影響している。米国では2025年3月、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が戦略ビットコイン準備金の設立に署名し、没収された約170億ドル(約2.6兆円)相当のビットコインを組み入れる枠組みが導入された。
エルサルバドルやアルゼンチンも、インフレや中央銀行への依存に対処する手段としてビットコインを国家レベルの戦略に位置づける動きを見せている。ジュチュン・コー氏は、こうした国々の取り組みに言及しながら、ビットコインが補完的な準備資産として複数の法域で扱われ始めている点を強調した。
台湾がビットコインを正式に準備資産へ統合するかどうかは、パイロットの検証と調査結果に基づいて判断される見通しであり、このプロセスはアジアにおける政府レベルのビットコイン導入議論の一例として注目されている。
























