KrakenがUEAのライセンスを取得
仮想通貨取引所Kraken(クラーケン)は、UAE(アラブ首長国連邦)で規制された取引プラットフォームを運営するためのライセンスを取得し、アブダビに地域本部を設置することを発表したことがCNBCとのインタビューで明らかになった。
Krakenは最近、ADGM(Abu Dhabi Global Market=アブダビグローバル市場・金融サービス規制庁)から規制当局の認可を受け、UAEで規制対象の取引プラットフォームを運営するためのライセンスを取得したとのこと。これによりKrakenは、ADGMから金融ライセンスを取得した初の米国仮想通貨取引所となり、金融フリーゾーンで規制された仮想アシスタント交換プログラムを運営できるようになったとのこと。Krakenのヨーロッパ、中東、アフリカのマネージングディレクターであるカーティス・ティン(Curtis Ting)氏は次のように語っている。
現在、仮想通貨は非常に盛り上がっていますが、実際にこの地域のユーザーが取引を開始するためには、ブローカーやプレミアム価格で提供している取引所から仮想通貨を購入するか、米ドルやユーロ、英ポンドとの関係でのみ取引を行うことが必要であり、自国通貨での取引はできません。そのため、アラブ首長国連邦の人々が自国通貨にアクセスできるようにすることで、流動性を促進することを目的としています。
加速する中東への仮想通貨取引所進出
Chainalysisのデータ調査によると、中東はすでに世界の仮想通貨取引量の約7%を占めており、現地通貨が資金調達や取引に利用できるようになれば、10倍に増加する可能性があると指摘されている。
Krakenの800万人以上のグローバルユーザーが、アブダビとドバイの現地通貨にアクセスできるようになることで、グローバル市場へのアクセスとグローバルな流動性を促進することにつながると期待されている。
一方で、Krakenを上回る取引規模を誇るBinanceは、2021年12月、DWTC(Dubai World Trade Centre Authority=ドバイ世界貿易センター局)と協定を締結し、UAEのもう一つの大都市であるドバイをグローバルな仮想通貨ハブにするための措置を取っているとのこと。さらに、仮想通貨取引所Bybitは2022年3月にドバイ本社を開設する認可を受けたほか、仮想通貨デリバティブ取引所であるFTXは仮想資産プロバイダーライセンスを確保するなど、同じくUAEでの運営を計画していることが報じられている。
現在中東への進出を計画している取引所には、Crypto.comやBitOasisなどがあり、近年ますます中東への仮想通貨取引所の進出は加速している。