米国共和党がステーブルコイン発行者規制の法案を発表

米国の共和党議員がステーブルコイン規制法案を発表

米国ではステーブルコインと仮想通貨市場の規制はまだ不確実ではあるものの、4月24日(月曜日)、下院金融サービス委員会の共和党員により、デジタル資産発行者規制に焦点を当てた法案を発表した事が分かった。

ステーブルコインの発行者とは、その価値が米ドルに固定されたデジタル資産を作成および配布するエンティティで、これらは、USDコイン(UEDCoin/USDC)を発行するサークル(Circle)などの民間企業、金融機関、個人を指す。ステーブルコイン発行者は、法定通貨やコモディティなどの原資産と比較して、ステーブルコインが一定の価値を維持することを保証する責任がある。

下院共和党が米国の規制状況をリード

ステーブルコインの規制に関する今後数カ月間の下院民主党、上院、ホワイトハウスとの会話の「出発点」として説明されているこの法案は、連邦および州レベルでステーブルコインを規制するための新たな取り組みとして作成されたとのこと。

提案された法案は、ステーブルコイン発行者が連邦決済機関または登録された州認定の決済発行者によって規制されることを要求。さらに、ステーブルコインプロバイダーは、発行者として承認されるため、特定の準備金要件を満たしたうえで、準備金ポートフォリオを毎月開示しなければならない。さらに、これらとは別に、提案された法案で、ステーブルコインの発行者が履行する必要がある義務に対処するいくつかの要因を導入している。その中には、ステーブルコイン発行者を承認するための特定の要件を処理するためのより柔軟なアプローチを州の規制機関に与えることが含まれているとのこと。

提案された法案は、発行者が、未払いのステーブルコインをタイムリーに償還するための手順を確立する必要があることが記載されている。この法案は、州によって承認されたステーブルコイン発行者に発生する侵害行為を調査する時間を州に与えていることは注目に値する。ステーブルコインは厳しい規制当局の精査の対象となっているため、法案は、ステーブルコインが証券ではなく、SEC(米国証券取引委員会)によって規制されるべきではないことを確認するため、米国の法律を明確化および更新するとのこと。

仮想通貨市場への潜在的な影響

提案されたステーブルコインの規制が最終的に法律に可決された場合、ステーブルコインと仮想通貨市場全体に大きな影響を与える可能性がある。

その反面、一方では、現在ほとんど規制されていないステーブルコインの正当性と安定性を高められるとみられており、仮想通貨市場全体に対する信頼が高まり、デジタル資産の採用が増える可能性も期待されている。さらには、ステーブルコイン発行者の規制順守コストが増加する可能性もあり、新しいプレーヤーが市場に参入するのがより困難になる可能性も指摘されている。また、さまざまな州にまたがる規制の断片化とパッチワークの増加につながる可能性があり、複数の管轄区域で運営されているステーブルコイン発行者にさらなるコンプライアンスの課題をもたらす可能性がある。

仮想通貨市場が進化し続けるにつれて、ステーブルコインの規制の枠組みはますます重要になっている。下院共和党が発表した新しい法案は、ステーブルコイン発行者のための、より明確なガイドラインを確立し、市場での規制の確実性を高めるための一歩である。