ロシア、対外貿易決済における仮想通貨を合法化へ

ロシアが対外貿易決済に仮想通貨の使用を合法化へ

ロシア財務省と中央銀行は、対外貿易における決済に仮想通貨を使用することを合法化することで合意した。

2025年10月22日(水曜日)付け現地メディアの報道によると、ロシア財務省とロシア中央銀行は、対外貿易決済における仮想通貨の利用を合法化することで合意。この決定は、アントン・シルアノフ(Anton Siluanov)財務大臣が、経済効率と公正な事業環境に焦点を当てた戦略会議後に発表した。

対外貿易における仮想通貨決済の合法化決定は、ロシアに対する欧米諸国による制裁を回避する事が要因で、同国の国際ビジネスのあり方を変革する可能性のある動きだ。また、ロシアにおけるデジタル資産に対する姿勢は、政策立案者が経済戦略と急成長する仮想通貨市場の厳格な監督のバランスを取ろうとする中で変化しつつあり、デジタル決済を通じて経済的自立促進を目指している。

国外への通貨移動も視野に

同財務大臣は、仮想通貨は決済を容易にするだけでなく、国外への通貨移動にも利用できると強調しており、合法化に伴い、規制当局はこの新たな市場セグメントにおける秩序とコンプライアンスを確保するための管理措置を強化することが重要だと指摘した。

この動きは、2026年がロシアの仮想通貨市場におけるバランスの取れた規制の始まりとなる可能性があると示唆する金融業界からの以前の発言とも一致。ロシア国内の推計によると、ロシア国民と企業は現在、2.5兆ルーブル(約4.7兆円)を超えるデジタル資産を保有しており、仮想通貨の利用によって外貨への依存度が低下している。

今回の合法化の取り組みは、規制監督を維持しつつ、国際経済活動に安全に統合することを目指した、ロシアのデジタル通貨に対するアプローチの大きな転換を浮き彫りにしている。

より広範な仮想通貨合法化に向けた戦略的転換

今回の合意は、ロシアのデジタル資産に対する姿勢の大きな転換を反映している。

過去1年間で、政府は慎重な懐疑的な姿勢から徐々に受け入れへと移行し、仮想通貨を財産と認める法律の制定も議論されている。現在、2,000万人以上のロシア人が仮想通貨を保有しており、対外貿易における仮想通貨の使用を合法化すれば、デジタル通貨がロシアの主流経済に不可欠な要素となる新たな時代の幕開けとなる可能性がある。

最注目例の一つに、制裁対象となっているロシア事業体と関連のあるルーブルに裏付けられたトークンA7A5ステーブルコインがある。報道によると、米国が関連事業者を制裁対象としているにもかかわらず、この通貨に関連する150億ドル(約2.3兆円)以上の隠れた取引が追跡されている。A7A5の流通は継続しており、仮想通貨がロシアの対外貿易決済ネットワークの中心となっていることを反映している。

 

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