Coinbaseがウォレットアプリに詐欺師撃退機能などを追加
仮想通貨業界で詐欺やハッキング事件が多発していることから、消費者保護の必要性が最近高まっているなか、米国を拠点とする仮想通貨取引所のCoinbaseは、詐欺師を撃退するための取引プレビューやブロックリストなどの新機能を仮想通貨ウォレットアプリに追加した事を発表した。
世界の規制当局、さまざまな国の政府、および仮想通貨企業でさえ、悪意のあるプレーヤーが顧客を搾取するのを防ぐ方法を模索する中、Coinbaseは、フィッシング詐欺や詐欺からユーザーを保護するための安全機能を統合した最新の仮想通貨取引所として注目を集めている。
Coinbaseは、新しい安全機能をウォレットアプリに統合することを発表。同取引所によると、この新機能によってユーザーは、詐欺師からの潜在的な攻撃を特定して対策を講じられるようになるとのこと。そのうちの1つは、トランザクションプレビュー機能で、ユーザーは確認ボタンを押す前に、トランザクション中にトークンとNFT(非代替性トークン)残高の変化の可能性を見積もることができる。
トークン認証アラート機能も搭載
Coinbaseはさらに、トークン承認アラート機能も追加しており、分散型アプリケーション(dApp)がトークンまたはNFTの引き出し承認を要求した際、ユーザーに通知するように設定されている。
トークン承認アラート機能を使用すると、詐欺師が自分のアカウントで行動を起こしているときにユーザーに警告が表示される。また、同取引所はユーザーがウォレットアプリから直接dApp接続をブロックできるようにする一連の権限管理を導入。これによってユーザーは、不要または疑わしいリンクが自分のアカウントにアクセスするのをブロックし、潜在的な脆弱性を最小限に抑えられる。
Coinbase は、以前に同様の機能を導入した多くの仮想通貨ウォレットサービスプロバイダーの1であり、同様の機能を展開や発表した企業には、ソラナ(Solana)ベースのファントム(Phantom)、Web3ウォレットプロバイダーのエンバー(Ember)とビットスキー(Bitski)などがある。
最新ブログの中でCoinbaseは、今後数週間でユーザーが既存のトークン残高を表示および取り消せるようにする追加機能を開始すると発表。これらの機能は、ハッカーがさまざまなツールを展開してトランザクションを乗っ取り、意図した目的地以外に資金を送金するため、ユーザーの資産の安全にとって重要である。
ファントムとエンバーはセキュリティ機能を統合
フクロウをモチーフにしたPFP(プロフィール画像)タイプのNFTコレクションMoonbirds(ムーンバーズ)作成者であるケビン・ローズ(Kevin Rose)氏がNFTで110万ドル(約1.4億円)の損失を明らかにした後、Phantomはそのウォレットにいくつかのセキュリティ機能があることをユーザーに思い出させた。
Phantomは、ユーザーがアプリでアクションを開始したときに、トランザクションをスキャンしてフィッシングサイトなどの疑わしいリンクを特定すると説明。トランザクションプレビューは、詐欺師によるハッキング攻撃や不正行為を回避するための積極的な手段である。トランザクションスキャナーが怪しいものを見つけた場合、ユーザーはアクションを続行する前に警告を受け取る仕組みだ。オープンソースのブロックリストは、コミュニティが管理する悪意のあるドメインのリストで構成されており、Phantomのオープンソースブロックリスト機能は、ユーザーがこれらの悪意のあるドメインに誤って接続するのを防ぐ。
また、1月27日には、Web3ウォレットプロバイダーのエンバーがセキュリティツールの概要をツイート。このウォレットアプリには、トークンやNFTロックなどのセキュリティ機能が含まれており、資産の盗難、トランザクションのプレビュー、承認の取り消しを防げる。他のトランザクション プレビュー機能と同様に、エンバーを使用すると、ユーザーはトランザクションに署名したときに何が起こるかを確認できる。