BNBチェーンの成長を後押しする大規模ビルダーファンドを設立
バイナンス(Binance)共同創業者のCZことジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)氏が率いるYZi Labsは、BNBエコシステムで活動する創業者や開発者を支援するため、10億ドル(約1,529億円)規模のビルダーファンドを立ち上げた。
— YZi Labs (@yzilabs) October 8, 2025
YZi Labs、BNBエコシステムの創設者への投資を強化する10億ドルのビルダーファンドを発表
対象はWeb3、AI(人工知能)、バイオテクノロジー、RWA(現実世界の資産)、DeSci(ディサイ、Decentralized Science:Web3技術を活用した既存科学の課題解決を目指す取り組み)、決済、ウォレットなど広範にわたり、BNBチェーン全体のイノベーションとインフラ強化を狙う。
創業者支援の枠組みと対象
かつてバイナンス・ラボ(Binance Labs)として知られたYZi Labsは、2025年1月に改称し、ベンチャー投資とインキュベーションに注力している。
今回のファンドではプロジェクトごとに最大50万ドル(約7,650万円)の資金を提供し、教育、技術支援、ネットワーキングを組み合わせた包括的な支援をする。採択されたプロジェクトは、グローバルで創業者とメンター、投資家をつなぐEASY Residency Season 2に参加できる。BNB チェーンのプレミアアクセラレーターMVB (Most Valuable Builder)はBNBビルダー専用コースとして運営され、YZi Residencyの一部に統合される。
YZi Labsは、既存の支援先であるパンケーキスワップ(PancakeSwap)、ListaDAO、Aster、Aspectaなどの成長を後押ししながら、CoinMarketCapなどと連携してコミュニティイベントやディスカッションを主催している。こうした活動を通じて、初期段階の創業者発掘から事業化までを継続的に支援する体制を整えつつある。
加速するBNBエコシステム
BNB Chainは日次取引件数が2,600万件を超え、DEX(分散型取引所)取引量と日次アクティブユーザー数で首位を維持している。
月間アクティブアドレスは5,778万に達し、1日あたりの取引量は約1日47億ドル(約7,185.8億円)、手数料収入は557万ドル(約8.5億円)にのぼる。AsterではTVL(総ロック額)が500%以上増加して24億ドル(約3,669億円)近くに達し、パンケーキスワップは前月比33%増の取引量を記録。BNB関連のミームコイン「4」は1週間で100%超上昇し、「GIGGLE」も教育イニシアチブとの連携で90%上昇するなど、エコシステム全体が活発化している。
BNBは時価総額で3位となり、史上最高値1,330ドル(約20万円)を更新。直近1カ月では11.65%の上昇を見せており、10億ドル(約1,529.3億円)ファンドがさらなる成長の起爆剤となる可能性が高い。オンチェーン分析プラットフォームArtemisは、BNBチェーンが高いユーザーアクティビティと価格上昇を伴う「BNBシーズン」に突入したと指摘している。
今回のビルダーファンドは、資金提供にとどまらず、開発者とユーザー、投資家を結ぶ循環的な成長モデルを構築する犯いがある。エコシステムファンドは歴史的にコイン価格上昇と連動する傾向があり、旺盛なオンチェーン活動とあわせて、BNBチェーンの実用性と採用拡大をさらに担い上げるだろう。