ロビンフッド(Robinhood)、米規制当局の調査に3,000万ドル支払いへ

FINRAはロビンフッドに3,000万ドル支払いを命じる

FINRA(Financial Industry Regulatory Authority:米国金融業規制機構)は、複数のコンプラ違反でロビンフッド(Robinhood)に対し、計3,000万ドル(約44億円)の祖払いを命じた

FINRAは、2020年3月から2021年1月にかけて需要急増により、処理に顕著な遅延が発生したにもかかわらず、ロビンフッド・ファイナンシャル(Robinhood Financial)が決済システムを適切に監督できなかったと判断。これは、ロビンフッドがゲームストップ(GameStop)やAMCエンターテインメント・ホールディングス(AMC Entertainment Holdings)などのいわゆるミーム株の取引を制限した時期と一致している。

FINRAは、マネーロンダリング(資金洗浄)防止、監督不行き届き、不十分な開示に関連する違反行為により、ロビンフッド・ファイナンシャルに対し、影響を受けた顧客への賠償金として375万ドル(約5.5億円)を支払うよう命じ、ロビンフッド・ファイナンシャルとロビンフッド・セキュリティーズ(Robinhood Securities)に2,600万ドル(約38.2億円)の罰金を科した。今執行措置は、同社の監督とリスク管理慣行の欠陥を浮き彫りにするものである。

FINRAは3月7日、和解金は民事罰金2,600万ドルと顧客への賠償金375万ドルで構成されていると発表。ロビンフッドは「不正行為の危険信号に対応しなかった」ため、マネーロンダリング防止法および監督・開示違反に至ったとFINRAは述べている。FINRAのであるビル・セントルイス(Bill St. Louis)執行副社長兼執行責任者は今回の発表に際し、次のように述べている。

近年、証券業界は革新的なサービスと技術の進化と開発を続けており、何百万人もの新規投資家が市場にアクセスできるようになりました。本日の措置は、すべての投資家を保護し、サービスを提供するために、中核的な規制義務の遵守が依然として重要であることをFINRAメンバーに思い出させるものです。


ロビンフット社による複数のコンプラ違反

ロビンフッド・ファイナンシャルは、成行注文を指値注文に変換することで「カラーリング」する慣行を偽っていたことが判明した。

これにより、顧客は知らないうちに注文がキャンセルされ、その後取引を再開し、しばしば劣った価格を受け取っていた。これに対処するため、同社は影響を受けた顧客に賠償金を支払うことに同意。また規制当局は、両社の両社が合理的なマネーロンダリング防止プログラムを確立できなかったと判断。これらの欠陥により、両社は市場操作、不正取引、第三者ハッカーによるアカウント乗っ取りなどの疑わしい活動を検出して報告することがでなかったという。なお、FINRAによると、ロビンフッド・ファイナンシャルは、顧客の身元を合理的に確認せずに「数千のアカウント」を開設していたことも判明している。

ロビンフッド・セキュリティーズは、ロビンフッド・ファイナンシャルの取引処理をサポートする決済技術システムの監督が不十分であると指摘された。同社は、特に2021年1月の取引量とボラティリティの急増時に、取引処理の遅延に関連する警告サインに対処できず、これらの遅延は、規制義務を満たす能力に影響を与えた。

さらに、FINRAは、ロビンフッド・ファイナンシャルが有料ソーシャルメディアインフルエンサーによって投稿されたプロモーションコンテンツを適切に監視または記録を保持していなかったことを発見。これらのプロモーションの一部には、規制基準を満たさない誤解を招くまたは約束的な言葉が含まれていた。ロビンフッド・セキュリティーズは、証券取引および規制監査証跡に関連する報告要件を遵守しなかったことでも罰せられた。

FINRAは、両社が複数の分野で不正行為の危険信号に対処しなかったことなど、規制基準を満たすための適切な監督システムを導入しなかったと判断。FINRAの調査で特定された違反の一部は、企業が自ら報告している。和解の一環として両社は、告発を認めたり否定したりすることなく、FINRAの調査結果を受け入れたほか、両社は、執行措置で特定されたコンプライアンス違反を是正したことを証明することにも同意した。

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