SECとジャスティン・サン氏が判官に訴訟の停止を要請
SEC(米国証券取引委員会)とトロン(Tron/TRX)創設者のジャスティン・サン(Justin Sun)氏は、民事詐欺事件の和解を求め、法的手続きを一時停止する差し止め命令を要求した。
最新の裁判所の提出書類によると、SECとサン氏と運営する3つの企業は共同で、米国連邦裁判所に対して民事詐欺訴訟を一時停止するよう要請。
2025年2月26日(水曜日)、マンハッタンの連邦裁判所に提出した書類で、SECとサン氏は次のように記載している
両当事者が潜在的な解決策を探れるよう、共同でこの訴訟の停止を申し立てる。本件では、両当事者は、潜在的な解決策を検討する間、この問題を保留することが双方の利益になると主張している。
訴訟に至った背景
今回一時停止要請された訴訟では、未登録のTRXとビットトレント(BitTorrent/BTT)の販売、市場操作、未公開の有名人のプロモーションが訴訟の対象となった。
2023年3月、SECはサン氏と彼の3つの会社、トロンの背後にある組織、トロン財団(Tron Foundation)、ファイル共有プラットフォームの支援者であるBitTorrent Foundationとサンフランシスコに拠点を置く親会社であるRainberry Incを提訴。サン氏とこれらの会社がTRXとBTTの販売を通じて未登録の証券を販売し、二次市場でトークンの「操作的なウォッシュトレーディング」に関与したと主張。これに対してサン氏は、トークン販売は主に外国での行為であるためSECには影響力がないとして、訴訟の却下を申し立てた。
両当事者は、解決または和解を模索していると報じられており、最終的に訴訟は却下されると予想されている。また、差し止めが承認された場合に備えて両者は、共同状況報告書を提出するために60日間の猶予を与えるよう裁判所に要請した。
法廷闘争は終結間近か
SECは最近、仮想通貨企業に対する複数の訴訟と法的措置を取り下げている。
コインベース(Coinbase)の訴訟を終了させたほか、ユニスワップ(Uniswap)やロビンフッド(Robinhood)に対する調査を終了。さらにSECは、期限が迫っている仮想通貨訴訟の一時停止を優先し、3月下旬と4月中旬にそれぞれ裁判期限が迫っているクラーケン(Kraken)とリップル(Ripple)に対する訴訟を延期する可能性があると報じられている。
現在、連邦機関は、トロンの創設者ジャスティン・サンに対する最大の訴訟の1つを和解させようとしている。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は選挙運動中、デジタル資産業界に対する規制執行を緩和すると約束し、米国を仮想通貨の“世界のハブ(首都)”にすると誓っていた。今回の出来事は、SECがサン氏と和解することを示唆。これにより、トロンの創設者に何らかの罰則が科される可能性があるが、詳細はまだ明らかにされていない。
全体的に、SECは仮想通貨業界への支配を緩めつつあり、これらの執行措置を後回しにする準備ができているようだ。