Twitter共同創業者ジャック・ドーシー氏、分散型メッセージングアプリ「Bitchat」のベータ版をリリース

ジャック・ドーシー氏、分散型メッセージングアプリ「Bitchat」のベータ版をリリース

Twitter共同創業者のジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏は、インターネット接続なしでも動作する分散型P2P(ピアツーピア)メッセージングアプリ「BitChat」のベータ版をリリースした。

日本語訳:
Bluetoothメッシュネットワーク、リレー、ストアアンドフォワードモデル、メッセージ暗号化モデルなどについて学ぶ週末プロジェクトです。bitchat: Bluetoothメッシュチャット…IRCっぽい雰囲気。

2025年7月7日(月曜日)付けXへの投稿で発表されたBitChatは、BLE (Bluetooth Low Energy)メッシュネットワーク上で動作。これは、サーバーや携帯電話基地局に依存することなく、近くのデバイスが自己組織化ネットワークを形成できるもので、近距離Bluetoothにより、各デバイスが送信元と中継元の役割を担い、デバイス間でメッセージをやり取りできる。これにより、インターネット接続がない場合でも通信が可能になり、検閲が厳しい環境、抗議活動、自然災害時などに役立つ。ドーシー氏によると、BitChatはメッセージリレー、暗号化モデル、ストアアンドフォワードメカニズムなどのプロトコルを検証するための週末の実験として始まったとのことだ。

BitChatのしくみ

BitChatのメッセージは一時的なものであり、永久に保存されるものではなく、メッセージはデフォルトでデバイスのメモリに保存され、送信後または一定時間経過後に消去される。

これによりデータの露出が低減され、BitChatのプライバシー重視の理念にも合致している。また、同プラットフォームは、セキュリティ対策として最新の暗号化規格を採用。プライベートメッセージでは、X25519と呼ばれる暗号化技術がデバイス間で安全に鍵を転送するために使用され、意図した受信者のみがメッセージを読めるようになっている。

鍵交換後のメッセージは、その速度とセキュリティで広く認められている暗号化アルゴリズムであるAES-256-GCMで暗号化され、グループチャット(または「ルーム」)はパスワード保護も可能。鍵はメモリハードアルゴリズムであるArgon2idを使用して生成され、ブルートフォース攻撃を防止するとのことだ。

さらに、中断された環境でも信頼性の高い配信を提供するために、BitChatはオフラインユーザーのメッセージを一時的に保存し、再接続時に配信する「ストアアンドフォワード」システムも完備。BitChatは現在、GitHubでオープンソースとして公開されており、Apple TestFlightからベータ版としてアクセスできる。

ドーシー氏は、これはまだ実験段階だと強調。その目的は、検閲、監視、そして巨大IT企業への依存から逃れられる、分散型で安全なメッセージングシステムを確立することにある。ドーシー氏は、プライベートで堅牢性があり、中央集権的な管理から独立したP2P通信という、サイファーパンク的なビジョンをさらに推し進めようとしているようだ。

 

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