ZachXBTがWHITEの異常な動きを警告
オンチェーン調査員のZachXBTが、Web3ギャンブルプロジェクトZKasinoから盗まれた約3,300万ドル相当の資金が、WHITE(ホワイトロック)トークンを通じて洗浄されている可能性を指摘した。
WHITEは詐欺の疑いにより異常な価格変動を見せており、警戒が必要な状況にある。本記事では、信頼性の高い複数のソースに基づき、事件の経緯と現在の情勢を整理する。
ZKasinoは2024年に悪質な資金流用が指摘されたプロジェクトであり、調査の対象となっている。現在はZachXBTなどによる調査で、他のプロジェクトとの資金的関与が浮上している。WhiteRockは、現実資産(RWA)のトークン化を掲げ、2024年に登場した仮想通貨プロジェクトで、ローンチから短期間で10倍以上の価格上昇を記録し、大手との提携を謳いながら株式市場のオンチェーン化を目指すとして注目を集めた。しかしZachXBTは当初より本プロジェクトに対し懸念を表明していた。
資金移動の実態とZachXBTの指摘
ZachXBTによれば、WHITEチームのマーケティング用ウォレットが、ZKasinoのプレセール資金を保有するウォレットから直接資金を受け取っており、この資金は、プロジェクトのプロモーションを担うインフルエンサーへの報酬として使われていた可能性がある。
さらに、WHITEのチームメンバーの一人が、ZKasinoと結びつけられた個人メールアドレスと同一のアドレスを使用していたことも判明。2025年6月16日(月曜日)のXポストにおいてZachXBTは、「ZKasino詐欺に関与した少なくとも1人の人物がWHITEにも関与している」と明言している。
1/ Community Alert: At least one team member from the $30M Zkasino exit scam appears to be involved with the project @WhiteRock_Fi $WHITE due to onchain transactions linking both projects and a personal email address. pic.twitter.com/rZSvLM98fR
— ZachXBT (@zachxbt) June 16, 2025
そのほか、ZKasino関連資金がモネロ(Monero/XMR)を経由してWHITE関連のウォレットに流入した例や、スマートコントラクト展開アドレスがZKasino首謀者とされるイルダール・イルハム(Ildar Ilham、通称:Prometheus)に関連するメールアドレスと一致している事実も示された。
WHITEトークンの市場反応と投資家の見解
詐欺疑惑が表面化した直後、WHITEトークンは約8~10%上昇したが、開発者Max G.がライブ配信で疑惑を否定した直後に価格は急落した。こうした不自然な値動きにより、市場では価格操作の可能性も含めて疑念が広がっている。
Max G.はZKasinoとの関係を全面的に否定し、「たとえ一部のメンバーがうまくいかなかったプロジェクトに関与していたとしても、それによってわれわれのすべての取り組みが否定されるわけではない」と発言。関与が個人に限定されたとしてもプロジェクト全体の正当性は揺るがないと主張している。
ZachXBTはMEXCやGateといった中央取引所に対し、WHITEトークンの上場廃止を要請。人的・資金的な接点が複数確認されている現状において、WHITEトークンの信頼性は大きく損なわれている。
現時点で詐欺と断定されているわけではないが、関係者の関与や資金の出処に関する透明性が不十分であることから、新規投資を控えるべきとの見方が強まっている。WHITEの価格は依然として不安定であり、今後の調査や公的対応を注視する必要がある。