メタマスクの拡張機能がソラナに対応
人気の仮想通貨ウォレットMetaMask(メタマスク)は、長年のEVM(Ethereum Virtual Machine:イーサリアム仮想マシン)独占に終止符を打ち、ソラナ(Solana)ネットワークへの対応を開始した。
2025年5月27日(火曜日)、MetaMaskはウェブブラウザー拡張機能でSolanaネットワークへの対応を正式に開始。最新バージョンのブラウザー拡張機能では、Solanaベースのトークンの送受信、スワップ、ブリッジ、購入が可能になるほか、今統合により、Solana dappsとの直接的なやり取りも可能になる。
現時点でSolanaネットワークはまだMetaMaskモバイルアプリでは利用できないものの、同社によると“数週間以内”にモバイル対応を開始する予定とで、外出先でのマルチチェーンアクセスの向上が期待されている。また、MetaMaskはEVM以外のネットワークへの対応拡大計画も発表し、次のように述べている。
Solanaはほんの始まりに過ぎません。今後数カ月かけてEVM以外のネットワークを追加し、ウォレットの切り替えを過去のものにしていきます。1つのウォレット、1つのインターフェース、あらゆるネットワークに対応します。
MetaMaskはSolanaの統合でUX向上を目指す
同社によると、SolanaとEVM以外のチェーンとの統合は、ユーザーエクスペリエンスを効率化するための幅広い取り組みの一環だ。
これまで、イーサリアム(Ethereum/ETH)やSolanaなど複数のネットワークにまたがる資産を保有するユーザーは、別々のウォレットを管理する必要があったが、今回のアップデートにより、MetaMaskからサポートされているすべての資産にアクセスし、管理できるようになる。
主要SolanaネイティブウォレットPhantomは、既にイーサリアム、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、ベース(Base/BASE)、ポリゴン(Polygon/POL、※旧、MATIC)など、複数のネットワークをサポート。そのため、MetaMask側は、すべてのSolanaユーザーがすぐにMetaMaskに切り替えるとは予想していない。
MetaMaskは、リアルタイムアラート、悪意のあるdAppの検出、トランザクションシミュレーションなどの機能を、ユーザー保護のための重要なツールとして強調。また、ブラウザー拡張機能やモバイルアプリに影響を与えるプロトコルレベルのハッキングはこれまで一度も発生していないと述べている。
利用は簡単で、Solanaアカウントを新規作成するか、既存アカウントをインポートでき、MetaMaskはアカウント残高を自動的に検出。イーサリアムからSolanaへ資産を直接ブリッジすることも可能で、同社は次のように述べている。
私たちは10年近くにわたり、お客様のセキュリティを最優先事項としてきました。Solanaエコシステムをご利用いただく際には、リアルタイムアラート、悪意のあるdappの検出、トランザクションシミュレーションを通じて、お客様の安全を確保します。
なお、MetaMaskはまだトークンを発行していないものの、ジョー・ルービン(Joe Lubin)CEO(最高経営責任者)は一度は可能性を示唆している。