インドネシア貿易大臣が仮想通貨方針を語る
インドネシアの政府当局者は、インドネシアが中国と同じように、仮想通貨を完全に禁止するという方針を固めるつもりはないと述べたことが明らかになった。
インドネシアのムハマド・ルスフィ(Muhammad Luthfi)貿易大臣は現地メディアに対し、インドネシア政府は、すべての仮想通貨取引の禁止を決定した中国の足跡をたどることはないだろうと述べた。その一方でインドネシアは、仮想通貨が違法な行為に利用されないことを前提としたうえで、仮想通貨取引に対しての規制を強化していく考えを示した。今回のインドネシア当局の声明により、インドネシア国内の仮想通貨取引所の売上高は大きく増加しており、仮想通貨取引への期待感が現れている。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)、ドージコイン(Dogecoin/DOGE)などの仮想通貨は、現在インドネシアの資産および商品と見なされており、東南アジア諸国の居住者は仮想通貨取引はできるが、支払い手段として仮想通貨を使用することは許可されていない。
一方で、中国の中央銀行であるPBoC(People’s Bank of China=中国人民銀行)は仮想通貨取引および、仮想通貨マイニングは違法であり、今後中国でのこれらの行為を厳しく取り締まっていく考えを明らかにした。これにより、インドネシアの仮想通貨価格にも大きな影響を及ぼしており、9月24日(金曜日)の中国中央銀行の発表直後に、インドネシア国内最大の取引所であるIndodax(インドドダックスで、ビットコインの価格が7.4%下落し、5億9500万ルピア(約460万円)にまで値を下げている。
増大するインドネシア国内の仮想通貨需要
インドネシアでの仮想通貨取引の需要はここ最近、大きくなっている。
先物取引所監査役会によって承認された13の国内取引所の取引量は、2020年に65兆ルピア(約5,049億円)だったのに対し、2021年は最初の5カ月で40%増加し、370兆ルピア(約2兆8,756億円)にまで上昇している。また、それだけではなく、仮想通貨に投資する個人の数も昨年、400万人ほどだったのに対して、今年の5月時点で650万人にまで増加していることも明らかになっている。
インドネシア仮想通貨取引所のLuno Indonesia(ルノ インドネシア)は、プラットフォーム上の投資家の数を今日の70万人から2倍または3倍になると予想しており、カントリーマネージャーのジェイ・ジャヤウィジャヤニンティヤス(Jay Jayawijayaningtiyas)氏は、インドネシアでの仮想通貨市場は、活況の様相を呈しているとコメントした。中国での仮想通貨取引への厳しい対応の一方で、2億7000万人の人口を誇るインドネシアは今後の仮想通貨業界にとって、大きな市場となることが期待されている。