仮想通貨レンディング企業の創業者に実刑判決
5月8日、米ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所は、仮想通貨レンディングプラットフォーム「セルシウス・ネットワーク(Celsius Network)」の創業者アレックス・マシンスキー(Alex Mashinsky)氏に対し、懲役12年の実刑判決を下した。
商品詐欺および証券詐欺の罪に問われ、当初は最大20年の刑期も見込まれていたが、最終的に12年にとどまった。検察によると、マシンスキー氏は顧客資金を不正に流用し、独自トークン「CEL」の価格を操作。自身の保有分を高値で売却し、約4,800万ドル(約70億円)の利益を得た。
この行為によって、数十万人の投資家に損失が生じたとされており、セルシウスは高利回りをうたって資金を集めたが、最終的には70億ドル(約1兆円)以上の価値を失った。
セルシウス破綻の経緯と影響
2022年7月、セルシウスは仮想通貨市場の急落を受けて破産を申請している。
ピーク時に約250億ドル(約3.6兆円)の資産を管理していたが、破綻時には約47億ドル(約6,834億円)が未回収だった。Terra(テラ)の崩壊やFTXの破綻など、市場全体の混乱が影響したとされる。
さらに、破産時点でセルシウスは他の証券取引所に4億4,400万ドルを保有していたことも明らかになっており、補償は進んでいるものの、債権者全体への返済にはまだ課題が残る。
判決内容と今後の展望
判決には3年間の保護観察と4,800万ドルの資産没収が含まれており、刑期はニューヨーク州のオーティスビル連邦刑務所で執行予定で、娘の結婚式を理由に開始日は9月12日へと延期された。
裁判では数百件の被害者陳述が提出され、個人貯蓄を失った投資家の声が共有され、法廷には約60人が出席し、判決公判は感情的な空気に包まれた。マシンスキー氏は初犯であり、弁護団は「悪意や貪欲さが動機ではなかった」と主張。本人も最終弁論で涙を見せ、「すべての行動はコミュニティを守るためだったが、失敗した」と述べた。
Mashinsky gets ready to offer his defense after about an hour and a half
He starts crying. The judge asks if he needs a minute.
He says no — "All the actions [I took] were to protect my community and I failed."
Mashinsky starts sobbing.
— Zack Guzmán (@zGuz) May 8, 2025
マシンスキーは約1時間半後に弁明の準備をする
彼は泣き始めました。裁判官は彼に少し時間が必要かどうか尋ねました。
彼は「私が取った行動はすべてコミュニティを守るためのものだったが、失敗した」と否定する。
マシンスキーは泣き始めます。
一方で、詐欺行為によって多くの被害を出した責任は重く、今後も民事訴訟や破産手続きでの責任追及が続く見通しだ。