ステーブルコインの規制枠組みについて米国議員とテザーが協議
テザー(Tether/USDT)が米国の政策立案者と協議し、ステーブルコインの規制枠組みについて意見を交わしたことが明らかになった。
最大のステーブルコイン発行者として市場を牽引するテザーが、規制当局との関与を深めることで業界にどのような影響をもたらすのかが注目される。近年、米国ではステーブルコイン発行者に対する監督が強化されており、財務省、SEC(証券取引委員会)、CFTC(商品先物取引委員会)などの規制当局は、リスク管理や資産担保に関する規制の整備を進めている。
🚨NEW from me: Offshore stablecoin giant @Tether_to is working with U.S. lawmakers to influence how these fiat-backed currencies are regulated in the U.S.
The issuer of the world’s largest stablecoin $USDT has been a controversial figure in U.S. crypto policy circles due to an…
— Eleanor Terrett (@EleanorTerrett) February 14, 2025
最新情報: オフショアステーブルコインの巨人テザーは、米国議会と協力して、これらの法定通貨が米国でどのように規制されるかに影響を与えようとしている
世界最大のステーブルコインUSDTの発行者は、透明性の欠如の疑いで、米国の仮想通貨政策界で…
FOXビジネス(Fox Business)の記者エレノア・テレット(Eleanor Terrett)氏によると、テザーは下院金融委員会のデジタル資産小委員会委員長ブライアン・スタイル(Bryan Steil)議員やフレンチ・ヒル(French Hill)議員と協力し、2025年2月6日(木曜日)に提出されたステーブル法案(STABLE Act)の議論に関与している。
この法案は、ステーブルコイン発行者に対し、米国財務省短期証券や保証付き預金などの流動性の高い資産による準備金の維持を義務付けるものだ。テザーのパオロ・アルドイーノ(Paolo Ardoino)CEO(最高経営責任者)は、規制枠組みの議論に関与しており、米国の政策立案者と協議を進めていると述べた。特に、ステーブル法案を含む複数の法案について、意見を提供する意向を示している。
テザーは現在、1,140億ドル(約17.3兆円)以上の短期財務省証券を準備金として保有し、市場シェアの約60% を占める。CoinMarketCapのデータによると、テザーの時価総額は1,420億ドル(約21.5兆円)を超え、最大のステーブルコイン発行者となっている。
毎月の監査と準備金維持義務
提案されている新たな規制では、テザーに毎月の監査を義務付け、1対1の準備金の維持を求める可能性がある。
現在、テザーは会計事務所BDOによる四半期ごとの評価を受けているが、新規則が可決されれば、米国の会計事務所による月次監査が義務化される可能性が高い。JPモルガンのアナリストは、「この規制が実施されれば、テザーは保有するビットコインや貴金属の一部を売却しなければならない可能性がある」と指摘。FRB(連邦準備制度理事会)のクリストファー・ウォーラー(Christopher Waller)理事は次のように述べている。
米ドルに連動したステーブルコインは世界中でドルの影響力を拡大し、基軸通貨としての役割を強化する。
ステーブルコイン発行者は、政府証券を担保に法定通貨トークンを発行し、米ドルの需要を促進している。FRBは、ステーブルコイン市場の拡大が米国政府債務の購入を増加させる可能性があると分析し、金融市場の安定性確保の観点からも規制の必要性を示唆している。
規制適応による市場への影響
テザーの規制適応は、業界全体の透明性向上につながる可能性がある。特に、USDコイン(USDCoin/USDC)などの他のステーブルコイン発行者にも影響を及ぼす可能性がある。
また、スティール議員は、「STABLE法案の議論にテザーが積極的に関与している」と述べ、同社が規制の枠組みを遵守する姿勢を示していると評価している。今後の規制の進展次第では、仮想通貨市場全体の枠組みが大きく変わる可能性がある。テザーの動向が市場と規制のバランスにどのような影響を与えるのか、引き続き注目される。