トランプ×プーチン合意によりロシアのビットコイン詐欺容疑者を釈放、ベラルーシは米国人を解放

ビットコインを巡る国際交渉の象徴的なシルエット

トランプ×プーチン合意により囚人交換が実施される

ロシアとベラルーシを含む囚人交換が行われ、ロシアのビットコイン詐欺容疑者アレクサンダー・ヴィニック(Alexander Vinnik)氏と、ロシアで拘束されていたアメリカ人教師マーク・フォーゲル(Marc Fogel)氏がそれぞれ釈放された。

この合意は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米国大統領とウラジミール・プーチン(Vladimir Putin)ロシア大統領の交渉によるもので、ウクライナ情勢を巡る米露関係の変化を示唆している。ヴィニック氏は仮想通貨取引所「BTC-e」の運営に関わり、マネーロンダリング(資金洗浄)の罪で起訴されていた。一方のフォーゲル氏は、ロシアで医療用マリファナを所持していたことが問題視され、長期の刑を言い渡されていた。

両者の解放は、米露双方にとって重要な政治的成果とされるが、国際社会に与える影響も大きい。

アレクサンダー・ヴィニックとは

ヴィニック氏はビットコイン取引所「BTC-e」の共同創設者であり、2011年から2017年の間に90億ドル(約1.38兆円)以上の取引を行った。

しかし、米国でのマネーロンダリング防止規制に違反していたことが問題視され、違法資金の流通に関与していたとされる。2017年にギリシャで逮捕され、2020年12月にフランスでマネーロンダリングの罪で有罪判決を受け、懲役5年の刑を宣告された。その後、2022年8月に米国へ引き渡され、マネーロンダリング共謀罪で起訴され、その後の裁判手続きは進行中とされ、司法省はこの事件をサイバー犯罪対策の一環として取り上げている。

米国検察は、BTC-eが違法な資金洗浄に利用されていたと指摘し、司法省はサイバー犯罪対策の一環として同容疑者の事件を取り上げている。今回の合意により、同氏はロシアに引き渡される予定だが、ロシア当局による拘束の可能性も報じられている。これにより、彼が他国での裁判を免れる可能性が高まっている。

アメリカ人教師のマーク・フォーゲル氏の釈放

フォーゲル氏はモスクワのアメリカンスクールで長年教師を務めたが、2021年8月に医療用マリファナの所持によりロシアで逮捕され、14年の刑を言い渡された。

米国政府や国際的な人権団体は彼の刑が過度に厳しいと批判し、多くの抗議が寄せられていた。教育界では尊敬を集める人物だった。しかし、2021年に医療用マリファナの所持でロシア当局に拘束され、厳しい刑罰を受けることとなった。その後、米国政府や国際的な人権団体は彼の扱いを不当と主張し、多くの抗議が寄せられた。

解放への交渉とトランプ氏の関与

2025年2月11日、フォーゲル氏はロシアから解放され、アメリカへ帰国した。

トランプ大統領の中東特使スティーブ・ウィトコフ氏が交渉にあたり、最終的に囚人交換が成立。サウジアラビアも合意の仲介に関与していたと報じられている。トランプ大統領はフォーゲル氏の解放を歓迎し、プーチン大統領との対話が戦争終結に向けた重要なステップであると述べた。フォーゲル氏は帰国後、ホワイトハウスでトランプ前大統領や政府関係者と面会し、「私は今、地球上で最も幸運な男だと思う」とコメントした。

米露関係の転換点となるか

今回の囚人交換は、米露間の緊張関係が続く中での外交的な動きとして注目されている。

ウクライナ戦争の影響を背景に、両国の駆け引きが続く中での合意は、一定の対話の余地を示したものとも言える。ロシア側はヴィニック氏の釈放を「主権回復の象徴」として国内向けに強調し、米国はフォーゲル氏の解放を「人道的成功」としてアピール。しかし、今回の取引が関係改善に直結するかは不透明であり、今後の展開が注目される。

また、この交換にはベラルーシやサウジアラビアの仲介も関与しており、単なる二国間の合意ではなく、より広範な外交戦略の一環とみることもできる。今後、このような交渉がどのように展開していくのか、引き続き国際社会の関心が集まるだろう。

ABOUTこの記事をかいた人

2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム