中国のMeituがビットコインとイーサリアムを全て売却
中国のアプリ大手Meitu(美图)は、ビットコイン(Bitcoin/BTC)が10万ドルに達する前に、同社保有の940BTCと31,000イーサリアム(Ethereum/ETH)を1億8,000万ドル(約270億円)で全売却を発表した。
中国のテック企業Meituは、ビットコインが10万ドルに急騰する直前に、保有していた940BTCと31,000ETHの仮想通貨すべてを1億8,000万ドルで売却し、市場から撤退し、デジタル資産から焦点を移し、仮想通貨で得た利益でサブスクリプションベースのメディアサービスを拡大していくという。
写真加工アプリで知られる同社は、2021年3月と4月に仮想通貨に1億ドル(※現在レートで約150億円)を投資し、ビットコインに4,950万ドル(※現在レートで約74.3億円)、イーサリアムに5,050万ドル(※現在レートで約75.8億円)を費やしていた。売却は2段階で行われ、2024年11月、保有株の約半分を8,000万ドル(約120億円)で売却。続いて12月には、残りの470 BTCを平均価格95,000ドル(約1,426万円)以上で、15,703 ETHを3,500ドル(約52万円)で売却し、1億ドル(約150億円)以上の利益を上げた。
2回の売却を完了した後に同社は、合計1億8,000万ドルを確保し、8,000万ドル(約120億円)近い純利益を上げたという。
純利益の80%を株主に特別配当として分配
Meituは純利益の80%を株主に特別配当として分配し、残りの資金をコアの写真、ビデオ、デザイン製品の提供拡大に充てる予定だ。
中国南東部の港湾都市、厦門に本社を置くMeituは、香港、台湾、米国にも支店を構える同社は、仮想通貨を捨ててAI(人工知能)に切り替えている。AIの進歩により著しい成長を遂げているコアの写真・ビデオ編集事業に焦点を移しており、今回の発表に際して次のように語っている。
プレミアムサブスクリプションモデルを主に採用しているグループの写真、ビデオ、デザイン製品事業の最近の力強い成長の勢いを考えると、グループはこの事業にさらに投資するつもりです。取締役会は、仮想通貨の売却が、グループにとって、取得した仮想通貨への投資でかなりの利益を実現する良い機会となったと考えている。
アジアの傾向に逆行するMeituの動き
同社は香港証券取引所に上場しており、投資部門のMeitu Investmentsは英領バージン諸島に登録されている。
Meituが仮想通貨保有を清算するという今回の決定は、アジアの幅広い傾向に反する動きだ。積極的なビットコインの蓄積で“アジアのマイクロストラテジー”の異名を持つ日本のメタプラネット(Metaplanet)は、現在1,100 BTC以上を保有。一方、香港を拠点とするBooya Interactiveは最近、保有していた4,900万ドル(約73.6億円)のイーサリアムをビットコインに交換したばかりだ