ゲイリー・ゲンスラーSEC委員長が辞任を示唆
米国の次期大統領ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は選挙活動中にSEC(米国証券取引委員会)のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長を解任すると誓っていたが、トランプ氏が大統領執務室に入る前から、ゲンスラー氏はSECからの退任の可能性を示唆している。
SEC議長としての任期を振り返った同委員長は、PLIの第56回証券規制年次研究所での発言の中で、辞任の可能性を示唆し、仮想通貨規制の将来について概説した。反省と別れの挨拶のようにも聞こえるスピーチで、仮想通貨業界に対する規制アプローチを擁護し、在任中の主な成果を語った。発言は米国の資本市場、企業統治、開示規則など、SECのさまざまなトピックについて言及したうえで、辞任の可能性を示唆し、次のように述べている。
SECとともに奉仕し、国民の仕事を遂行し、われわれの資本市場が世界最高の状態であり続けるよう保証することは、大きな名誉でした。
仮想通貨規制に対する強固な姿勢
同委員長は、仮想通貨セクターの規制に対する強固な姿勢を繰り返し、「彼らとともに働き、人々の仕事に携わり、私たちの資本市場が世界最高のままであることを保証できたことは、大きな名誉です」と述べている。
ビットコインが証券としてSECの管轄下にないことを認めたが、市場に出回っている1万のデジタル資産の多くは証券としてSECの管轄下にいることを強調。これらの措置は既存の証券法に合致していると指摘し、SECによる未登録のオファリングの取り締まりを擁護している。同委員長は、仮想通貨市場を適切に規制できなかったことが「投資家に重大な損害」をもたらしたと主張し、ほとんどの仮想通貨資産は永続的な価値を示していないという自身の考えを繰り返し述べた。
ゲンスラー氏は辞任を明確に発表しなかったものの、その言葉には解釈の余地があり、重要な規制イニシアチブと仮想通貨に対する戦闘的なアプローチが特徴的な在任期間を経て、ゲンスラーSEC委員長の功績は永続的な影響を残すことになりそうだ。