UAEアラブ首長国連邦、カーディ・BのWAPミームコインの調査を開始
UAE証券商品局は、米国のラッパー、ヒップホップミュージシャンカーディ・B(Cardi B ※本名、Belcalis Almanzar:ベルカリス・アルマンザー)氏などの有名人が宣伝するソラナ(Solana)ベースのトークンであるWAPの調査を開始した事がわかった。
人気ラッパーのカーディ・B氏は、SNSを通じてWAPミームコインを宣伝。ドバイを拠点とするVC(ベンチャーキャピタル)企業と現地の投資家からの苦情を受け、UAE証券商品局は、宣伝と取引に関する市場操作と詐欺当の証券違反で調査を開始。捜査は、WAPトークンが「ポンプ・アンド・ダンプ」スキームの一部であったという容疑を中心に展開。報道によると、プロモーション活動にはインフルエンサーのネットワークが含まれており、彼らは見返りにWAPトークンのかなりの量を無料で受け取っていたという。
2024年10月7日(月曜日)、同氏はXを介してWAPを宣伝するプロモーションメッセージを投稿。WAPは、ラッパーのヒット曲の名前を借用した猫をテーマにしたミームコインだ。メッセージには、ウォレットアドレスとともに、WAPのマスコットであるアニメ猫の動画が含まれており、仮想通貨セキュリティアナリストは、このアドレスが、仮想通貨市場での以前の悪質な活動に関係する人物であると特定。これにより、推奨と投資家への潜在的なリスクに関する懸念が高まっている。
#PeckShieldAlert Cardi B's X account @iamcardib seems to be compromised. Be cautious when interacting with any address/link in the post. pic.twitter.com/dL3NNhSL6K
— PeckShieldAlert (@PeckShieldAlert) October 8, 2024
PeckShieldAlert:カーディ・BのXアカウントiamcardibが侵害されたようです。投稿内のアドレスやリンクを操作するときは注意してください。
しかし、多くのファンは投稿が合法かどうか疑問視し、同氏のアカウントがハッキングされたのではないかと推測している。ブロックチェーンセキュリティを手掛けるPeckshield(ペックシールド) が、投稿に関連するリンクやアドレスには注意するようユーザーに警告したことで、ハッキングとする見方が高まっている。
カーディ・B アカウントへのハッキングなのか
このような懸念にもかかわらず、10時間以上が経過しても対象の投稿は同氏のプロフィールに残っている。
このような状況は、ハッキングとしては異例のことで、プロモーションコンテンツは高品質で、同氏の他のソーシャルメディアアカウントは通常通り投稿しているため、これは意図的なものだった可能性が示唆されている。これまでのところ、WAPトークンは印象的なデビューを果たしており、時価総額は2,074万ドル(約30億円)に達しており、流動性は67万1,000ドル(約1億円)以上に達している。
Come on guys, we all know how this ends. pic.twitter.com/c7pIjlyW6E
— Slorg (@SlorgoftheSlugs) October 7, 2024
さあみんな、これがどうなるかはみんな分かってるよ。
当初の成功にもかかわらず、最近では複数の失敗が広く知られている事から、仮想通貨ユーザーは有名人が支援するプロジェクトに警戒しているのが現状だ。ケイトリン・ジェンナー(Caitlyn Jenner)氏、ジェイソン・デルーロ(Jason Derulo)氏、セクシー・レッド(Sexyy Red)氏といった有名人が今年(2024年)トークンを立ち上げているが、その価値はいずれも大幅に下落している。
しかし、有名人のベンチャーがすべてこのように失敗したわけではない。オーストラリアのラッパー、イギー・アゼリア(Iggy Azalea)氏のトークン、MOTHERは市場で好調なパフォーマンスを見せており、MOTHERを利用したオンラインカジノを立ち上げることで、トークン価値をさらに高めようとしている。
カーディ・B 氏のような有名人による仮想通貨の宣伝は、規制強化やインフルエンサーによる仮想通貨の擁護に対するさらなる警戒を招く可能性もあり、よく計算された戦略の一部なのか、それとも誤った信頼の例なのかは、現時点ではまだ分からない。