HBOドキュメンタリーはピーター・トッド氏がサトシ・ナカモトと報じる
HBOのドキュメンタリー『Money Electric: The Bitcoin Mystery has identified(日本語訳:マネー・エレクトリック:ビットコインの謎)』は、ビットコイン(Bitcoin/BTC)の開発者“サトシ・ナカモト”氏がピーター・トッド(Peter Todd)氏だと報じたが、トッド氏はこの主張を即座に否定した。
先日放映されたHBOのドキュメンタリーは、ニック・サボ(Nick Szabo)氏、レン・サッサマン(Len Sassaman)氏、アダム・バック(Adam Back)氏、デビッド・クライマン(David Kleiman)氏といった予想人物らの名前ではなく、トッド氏がサトシ・ナカモトであると主張。このドキュメンタリーは、トッド氏の活動のいくつかの重要な側面にスポットを当て、サトシ・ナカモト候補として説得力のある事例を提示。
ソフトウェア開発者でビットコイン貢献者のトッド氏は、暗号原理とブロックチェーン技術に対する深い理解で知られており、ビットコインの開発に初期から関与。さまざまなプロトコルに貢献し、ビットコインの作成に必要なスキルと一致するレベルの専門知識を有している人物だ。同氏はビットコインのコードベースに最も早くから貢献した人物の 1 人で、ビットコインの形成期にフォーラムでの議論に積極的に参加。コミュニティの主要人物と協力してきたため、サトシの信頼できる候補者として位置づけられている。
トッド氏をサトシ・ナカモトとするHBOによる3つの根拠
このドキュメンタリーでは、トッド氏が暗号とビットコインに関連したオンラインの議論で偽名を使用していることも強調されている。
これはナカモトの匿名性の好みと一致しており、トッド氏が同様のアプローチを採用したのではないかという憶測にもつながっている。さらに、トッド氏が長年にわたって擁護してきた特定プロジェクトやアイデアへの言及を含め、トッド氏とサトシ・ナカモトの間のさまざまな推測上のつながりを探求し、ビットコインとその作成者の起源についての興味深い疑問を提起している。
HBOは、トッド氏がサトシ・ナカモトであるとする根拠を3点挙げている。トッド氏が2010年にビットコイントークフォーラムでサトシの投稿を誤って継続したと主張。次に、最初のビットコイン取引の受取人であるハル・フィニー(Hal Finney)氏とのトッドのメールのやり取りを強調。3番目に、トッド氏と米国諜報機関と関係のある人物との間のメールを指摘している。
トッド氏による強い否定とコミュニティーメンバーによる即座の批判
トッド氏は、HBOのドキュメンタリーがサトシと自分を結びつけるために提示したすべての証拠を強く否定している。
ドキュメンタリー全体を通して、トッド氏は映画製作者がこの物語をセンセーショナルに伝えているだけだと繰り返し批判。トッド氏が誤ってサトシの投稿を継続したという主張についても、トッド氏はサトシの発言を訂正しただけと反論。
このドキュメンタリーは、仮想通貨コミュニティの多くのメンバーがその主張を即座に批判。HBOが提唱したアイデンティティ理論を陰謀論に例える人もいた。HBO ドキュメンタリーのプロデューサーであるカレン・ホーバック(Cullen Hoback)氏は、大胆な主張を撤回する気配を見せることなく、自分が持っている証拠を提示しただけだと主張し、仮想通貨コミュニティに対してより柔軟なアプローチを取った。しかし、ホーバック氏はトッド氏の否定に強く反論し、トッド氏は「ゲーム理論」というより深い戦略に従事していると主張した。
現在39歳のトッド氏がサトシ・ナカモトなら、2008年10月31日にサトシが画期的なビットコインのホワイトペーパーを発表したとき、トッド氏はまだ23歳だったことになる。