リップル社が銀行とフィンテック向け仮想通貨保管事業に参入
ブロックチェーン決済企業のリップル(Ripple)社は、銀行やフィンテック企業向けにデジタル資産の保管サービスを開始したことが明らかになった。
2024年10月10日(木曜日)付けCNBCの報道によると、リップルは銀行やフィンテック企業の顧客向けにデジタル資産を保管・管理する機能を発表。この動きは、新しく設立された部門の範囲を広げるための戦略の一部であり、Ripple Custodyと呼ばれる1つのブランドの下にカストディ製品を統合することになるようだ。
新機能には、同社のブロックチェーンプラットフォームであるXRP Ledgerとの統合、事前に設定された運用・ポリシー設定、アンチマネーロンダリングリスク監視などが含まれており、新しいユーザーインターフェースも統合されている。
高まる仮想通貨カストディの需要
仮想通貨企業であるリップル社は、銀行が資金の動きに関する最新情報を共有できる分散型ネットワークであるリップルネット・プラットフォームで知られている。
デジタル資産投資に目を向ける機関が増えるにつれ、仮想通貨カストディの需要は高まっている。カストディ・サービス・プロバイダーは、機関投資家の秘密鍵を保護することで、仮想通貨の保管を支援し、顧客がデジタル資産法を遵守していることを確認しながら、仮想通貨の取引や決済が容易になる。CNBCへの声明の中で、同社の製品担当上級副社長であるアーロン・スレッテハウ(Aaron Slettehaugh)氏は、新機能はスケーラブルなデジタル資産カストディでフィンテック企業にサービスを提供するリップルカストディの機能を拡張すると述べた。
同社はまた、カストディが最も急成長している事業の一つであることにも言及。同社のカストディ部門は前年比250%の成長を遂げ、現在は7カ国で事業を展開している。実際、銀行も仮想通貨のカストディサービスを提供する準備を進めており、9月10日、スタンダードチャータード(Standard Chartered)はアラブ首長国連邦でデジタル資産のカストディ・サービスの提供を開始。同社は最近、カストディサービスを提供するためのドバイ金融サービス局のライセンスを取得している。
一方、台湾FSC(金融監督委員会)は、仮想通貨カストディサービスのサンドボックスを準備しており、10月8日にFSCは2025年第1四半期に申請の受付を開始すると発表。台湾の民間銀行3銀行はすでに仮想通貨カストディ事業への参入に関心を示しており、今後さらなる多くの金融機関が仮想通貨カストディに力を入れると見られている。