ペイパル(PayPal)、ビジネスアカウントで仮想通貨の購入、保有、販売を可能に

ペイパルがビジネスアカウントで仮想通貨の購入、保有、販売を可能に

オンライン決済・送金サービスを手掛けるペイパル(PayPal)は2024年9月25日(水曜日)、米国の加盟店が同社のビジネスアカウントから直接、仮想通貨を購入、保有、売却できるようになったと発表した。

この新機能は、特に今年初めにSEC(米国証券取引委員会)がビットコイン上場投資信託を承認し、仮想通貨が市場で広く受け入れられていることを受けてのものだ。というのも同社は、顧客がペイパルとVenmoアカウントを通じて仮想通貨を購入、保有、売却できるようにした2020年以来、暗号機能を強化してきた。

売買に加え、ペイパルのビジネスアカウントは、サードパーティのウォレットにオンチェーンでトークンを送受信できるようになるが、ニューヨーク州でのサービス開始時には、これらの機能はすべて利用できないとのこと。

2023年、PayPalは米ドル建てのステーブルコイン、PayPal USD(PYUSD)を発表しており、PYUSDは米ドル預金、国債、現金等価物に完全に裏打ちされている。また、PYUSDは最近ソラナ(Solana)ブロックチェーンで利用可能になり、ユーザーは取引に複数のブロックチェーンを柔軟に利用できるようになっている。

PYUSDがソラナネットワークに拡大後の快進撃

2024年4月に同社はXoomプラットフォームの資金調達オプションとしてPYUSDを可能にし、海外の友人や家族への送金にPYUSDを使用する際、取引手数料を無料にする機能をユーザーに提供した。

PayPalのブロックチェーン、仮想通貨、デジタル通貨担当上級副社長のホセ・フェルナンデス・ダ・ポンテ(Jose Fernandez da Ponte)氏は次のように語っている。

事業主は、消費者が利用できるのと同じ仮想通貨機能を望む声が高まっています。その要望に応えられることを嬉しく思います。

実際、仮想通貨市場が全体的に低迷しているにもかかわらず、同社のステーブルコインPYUSDは時価総額が1億ドル(約144.8億円)を超えている。同社のステーブルコイン市場への参入は当初、仮想通貨業界にとって大きな出来事として注目を集めていたが、イーサリアム(Ethereum)ネットワークでのトークンの初期の成長は喜ばしいものではなかったと言える。しかし、5 月下旬にPYUSDがソラナネットワークに拡大し、新たな勢いを得たことで状況は一転。わずか3カ月でゼロから6億5,000万ドル(約941.4億円)に成長し、イーサリアムの供給量を上回っている。過去1カ月間で、ソラナ上のPYUSDの供給量は171%増加し、ネットワーク上のテザー(Tether/USDT)に匹敵する数値となっている。

PayPalの新機能は、ENS(イーサリアムネームサービス)名を使用して仮想通貨を送金することも可能で、この機能は米国で2億7,000万人以上のユーザーに提供されると予想されている。