米国務省、ワンコイン「クリプトクイーン」に500万ドルの懸賞金を提供

ワンコイン「クリプトクイーン」ルジャ・イグナトワに500万ドルの懸賞金を提供

ブルガリアの検事総長代理は、OneCoin(ワンコイン)創設者ルジャ・イグナトワ(Ruja Ignatova)容疑者は欠席裁判で起訴されるだろうと述べ、FBI(Federal Bureau of Investigation:連邦捜査局)は500万ドル(約8億円)の報奨金を出したことが明らかになった。

米国国務省は最近、OneCoin創設者であるイグナトワ容疑者の逮捕と有罪判決につながる情報に対する報奨金を増額。当NEXTMONEYの2022年7月4日付けの特集記事「FBIは仮想通貨の女王ルジャ・イグナトフを10大指名手配逃亡者リストに追加」で報じているように、FBIの最重要指名手配逃亡犯10人リスト(Ten Most Wanted Fugitives)の更新で、国務省の国際組織犯罪報奨金プログラムは、逮捕と有罪判決につながる同容疑者の居場所に関する情報に対して500万ドルの報奨金を提供すると発表した。

繰り返し増額された懸賞金

OneCoinの創設者が最後に確認された居場所は、2017年10月のアテネであり、FBIは2022年6月に同容疑者をトップ10リストに加え、10万ドル(約1,600万円)の報奨金を提供した。

当局は2023年にその報奨金を25万ドル(約4,000万円)に増額したが、同容疑者は公表時点で逃走中のままであり、FBIによると、彼女はドイツのパスポートを所持しており、整形手術を受けたり、外見を変えている可能性があるという。米国当局は2017年に同容疑者を詐欺とマネーロンダリング(資金洗浄)で起訴し、連邦逮捕状を発行。2024年6月26日(水曜日)のケネス・メルテン(Kenneth Merten)駐ブルガリア米国大使との共同声明で、ブルガリアのボリスラフ・サラフォフ(Borislav Sarafov)検事総長代行は、同容疑者は同国で欠席起訴されるだろうと述べた。

現地メディアでは犯罪王によって手をかけられたと報道

2014年に設立されたOneCoinは、2015年に詐欺的な仮想通貨スキームとして暴露され、投資家からおよそ40億ドルを詐取したとされている。

イグナトワ氏のボーイフレンドであるギルバート・アルメンタ(Gilbert Armenta)氏、弁護士のマーク・スコット(Mark Scott)氏、法務・コンプライアンス部門の元責任者イリーナ・ディルキンスカ(Irina Dilkinska)氏、共同設立者のカール・セバスチャン・グリーンウッド(Karl Sebastian Greenwood)氏、ウィリアム・モロ(William Morro)氏など、複数の人物がこのスキームに関与したとして米国で刑事訴追されている。

また、イグナトワ氏の兄であるコンスタンチン・イグナトフ(Konstantin Ignatov)は2019年、OneCoinスキームへの関与に関連した詐欺とマネーロンダリングの罪を認めており、彼は2024年3月に釈放されるまで34カ月間刑務所で過ごした。一方で、クリプトクィーン本人の行方は現在も不明であり、2018年、ブルガリアのメディアは、同容疑者は地元の犯罪王「Taki(タキ)」によってヨットの上で虐殺されたと報じたが、仮説は検証されておらず、同容疑者は現在も逃亡中とみられている。

ルジャ・イグナトワ容疑者は現在、ブルガリア、ドイツ、インド、米国で、電信詐欺、ワイヤー詐欺、マネーロンダリングと証券詐欺の共謀など、複数の罪に問われている。ブルガリア当局はまた、数十億ドル規模の仮想通貨ネズミ講に関与したとして、同容疑者を欠席裁判で有罪にすることを決定している。

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2022.07.04