暗号犯罪におけるAIの役割をブロックチェーンデータ分析会社が報告

暗号犯罪におけるAIの役割が報告される

英国に拠点を置くブロックチェーンデータ分析会社Elliptic(エリプティック)の調査によると、AI(人工知能)は技術としてまだ初期段階にあるものの、規制の欠如を利用し、新たな技術が悪意ある目的で悪用されるリスクが常にあると警告している事がわかった

同社は、暗号犯罪はまだ主流の脅威ではないものの、潜在的な新たな犯罪傾向を事前に特定し、軽減することが長期にわたる持続可能なイノベーションを促進する上で重要だと指摘している。投資詐欺は最近、有名人や権威者のディープフェイク動画を使用して自分自身を宣伝しており、これらの詐欺には、イーロン・マスク(Elon Musk)氏やシンガポールの元首相リー・シェンロン(Lee Hsien Loong)氏、台湾の祭英文現総統、日本国内の事例では、経済アナリストの森永卓郎氏など、多くの有名・著名人のビデオ映像が使用されている。2024年6月初め、リー氏が仮想通貨投資を宣伝する動画を掲載したソーシャルメディア広告がディープフェイクであることが判明。同氏が今年初めに行ったスピーチに偽音声が重ねられたもので、この問題について、リー氏はFacebookの投稿で次のように述べている。

これは非常に懸念すべきことだ。動画を見ている人は、私が実際にこれらの言葉を言ったと誤解するかもしれない。動画は本物ではない。


AIと仮想通貨業界

Ellipticの調査報告によると、AIは詐欺トークンへの期待を高める要因でもあり、例えば…、ブロックチェーンネットワークには、名前にGPTという用語のバージョンを含むトークンが何百もリストされている。

合法的なベンチャー企業の製品も存在しているかもしれないが、Ellipticはその中に多数の詐欺を検出したと報告している。同報告では、AIツールをコード監査やエラーチェックに使用できるかどうか、またブラックハットハッカーがこれらの機能を使用して攻撃を特定し設計できるかどうかについて議論。MicrosoftとOpenAIは、ロシアと北朝鮮の脅威アクターがそのような活動に従事していると報告しているが、同報告では、他のアクターは彼らの技術はまだ完全には開発されていないと主張。特に、ミームコインの誇大宣伝によって大きな市場が形成された仮想通貨分野では、このような取り組みによって多くの投資家が詐欺に遭い、大きな損失を被る可能性があることから、十分に注意が必要だ。