米国司法省はシルクロードから盗まれた34億ドル相当のビットコインを押収

シルクロードから盗まれた34億ドル相当のビットコインを押収

DOJ(米国司法省)は、2013年に閉鎖される前にダークウェブマーケットプレイスである、シルクロードからビットコイン(Bitcoin/BTC)を盗んだ男に対し、33億6,000万ドル(約4,929億円)相当のビットコインを押収したと発表した事が明らかになった。

ジョージア州ゲインズビル出身のジェームズ・チョン(James Zhong)容疑者は2012年9月、シルクロードから約5万BTCを盗んだとされている。DOJによると同容疑者は、シルクロードのアカウントを9つ作成し、140以上の取引を連続して発生させ、シルクロードの引き出し処理システムを騙して5万BTCを自分のアカウントに転送し、シルクロードの資金をだまし取ったとされている。

欧州された仮想通貨の内訳

ビットコインを入手した同容疑者はその後、発見を防ぎ、自分の身元と所有権を隠し、ビットコインの出所を難解にするため、資金を別々のアドレスに送金したとみられている。

資金を盗んだ同容疑者は、2017年8月にビットコインが2つの仮想通貨にフォークした際、同額のビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH)を受け取り、ビットコインとビットコインキャッシュの両方で5万枚を保有したままとなっている。その後同容疑者は、保有するBCHを3,500BTCと交換し、合計53,500BTCの犯罪収益を得ている。

連邦捜査官は2021年11月、捜査令状により5万BTC強を回収し、づ容疑者を追い詰め、連邦捜査官は、地下の床金庫に隠された財布と、浴室のクローゼットに保管されたポップコーン缶の中で、毛布の下に隠されていたシングルボードコンピューターの中からビットコインを発見したとのこと。また、当局は現金66万1,900ドル(約1億円)、175BTC相当のカサシウスコイン25枚、金と銀の延べ棒を押収しており、逮捕後に同容疑者はそれまで押収されていなかった1,004BTCをさらに押収したとのこと。米国弁護士ダミアン・ウィリアムズ(Damian Williams)氏は次のように語っている。

最先端の仮想通貨追跡技術と昔ながらの警察活動のおかげで、法執行機関はこの素晴らしい犯罪収益のキャッシュを見つけ出し、回収できました。この事件は、われわれがいかに巧妙に隠された金であっても、ポップコーン缶の底の回路基板まで追いかけることを止めないことを示しています。

一方で同容疑者は、司法取引の一環として、最高刑が20年の懲役である電信詐欺の1件の罪を認めたほか、メンフィスの不動産会社の株式80%、保有するビットコインなどの財産没収の同意命令にも同意したとのことだ。同容疑者の判決公判は2023年2月22日に予定されており、34億ドル(約5,000億円)という大規模仮想通貨犯罪に終止符が打たれることになる。