BRICS諸国がステーブルコインで貿易を非ドル化へ
BRICS加盟国は、すでに世界的な評価を得ている資産クラスであるステーブルコインを貿易決済に使用することを検討している事が新たに分かった。
BRICS加盟国は、国際貿易における米ドルへの依存を減らし、新たな手段を創設するために、ステーブルコインの導入を検討。最近のインタビューで、ロシアのセルゲイ・リャブコフ(Sergei Ryabkov)外務次官は、国際決済用のステーブルコインを検討するロシアの計画を明らかにしたうえで、次のように述べている。
私たちの議長職は、世界舞台におけるBRICSの役割を強化し、すべての加盟国が私たちの共同の課題に大きく貢献することを目的としています。国家金融メッセージングシステムを統一する可能性も現在議論されている。
BRICS加盟国間で現在検討されているステーブルコインの導入は、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)決済の相互運用性をサポートするプラットフォーム「BRICS Bridge」の開発に追加されるものだという。
さらに同氏は、BRICS加盟国間の金融協力の促進など、法定通貨に裏付けされた仮想通貨が同グループにとって果たす役割についても議論しており、BRICS諸国が最終的に自国通貨を獲得するための間接的なアプローチとの見方もあるものの、提案されたステーブルコイン計画がどこまで進んでいるのかは不明だ。
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、エジプト、エチオピア、イラン、アラブ首長国連邦を含むBRICS諸国は、長い間、脱ドル化を追求するための他の選択肢の利用について議論している。最近のインフレと景気減速により、脱ドル化の取り組みはここ数カ月でこれまでにない勢いをみせている。
ステーブルコイン市場が大きな成長を遂げる
BRICS諸国による今回の動きは、デジタル資産エコシステムにおけるステーブルコインの利用が高まる中で行われている。
ステーブルコイン市場は最近、1億6,000万ドル(約247.7億円)を超えて急騰し、2022年に最後に見られた重要な偉業を示唆している。今から1週間前、当NEXTMONEYの2024年4月22日付特集記事「シンガポールのTriple-Aが加盟店支払いにPayPalステーブルコインPYUSDを導入」で報じたように、シンガポールに本拠を置く決済会社Triple-Aは、PayPalのステーブルコインPYUSD導入を発表。BRICS諸国のような急成長する同盟が現在ステーブルコインの導入を検討しているため、エコシステムでは時間の経過とともに導入が急増することは間違いない。