シンガポールのTriple-Aが加盟店支払いにPayPalステーブルコインPYUSDを導入

シンガポールのTriple-AがPayPalのPYUSDを導入

シンガポールに本拠を置く決済会社Triple-Aは、PayPalステーブルコインPYUSDを加盟店向けにカスタマイズされた一連の決済オプションに統合する決定を発表した。

ブルームバーグの最新報道によると、同社は、6月末までにPYUSDを同社の一連のトークン提供に統合する予定という。今回の決定は、新興金融テクノロジーを積極的に採用する同社の姿勢を示唆。シンガポール初の認可を受けた仮想通貨決済会社として、同社は 2021 年末にMAS(シンガポール金融管理局)からDPT(Digital Payment Token)サービスのライセンスを取得。2024年6 月末までに完了予定の PayPalステーブルコインの統合により、同社はサービス提供を大幅に拡大する準備がすでに整っているとのこと。

現在、Triple-A の決済サービスは主に、ビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(Ethereum/ETH)などの主要仮想通貨のほか、テザー(Tether/USDT)やCircle(サークル)が発行するUSDコイン(USD Coin/USDC)ステーブルコインを中心に展開。Triple-A は、PayPal のPYUSDステーブルコインのサポートを追加することで、より幅広い顧客の好みに応え、支払いプラットフォームの多用途性を強化することを目指している。

PayPalのPYUSDがステーブルコイン市場におけるテザーの支配に挑戦

PayPalのPYUSDによるステーブルコイン分野への参入は、仮想通貨業界の重要な発展を示している。

Triple-Aのエリック・バルビエ(Eric Barbier)創設者兼CEO(最高経営責任者)は、同社の決済額が2022年から2023年にかけて3倍になったことを指摘し、2024年末までにこれらの額を2倍以上に増やすという野心を表明したうえで、次のように語っている。

PayPal には、多くの消費者が一度に利用できる強力な力があります。現在、このような力を持っている人は誰もいません。

同CEOによると、ステーブルコインはTriple-Aの総決済額の60%を占めており、最も人気のある選択肢はUSDTとのこと。この選好は、仮想通貨と従来の法定通貨間の資金移動を円滑化するブリッジ通貨としてのステーブルコインの役割の増大を反映している。

フィンテック大手による実験的な取り組みとしてPYUSD は、現在かなり大きな流通供給量を誇るテザーのUSDTの優位性に対して挑戦を提示。しかし、PayPalの広範な消費者基盤と世界的なリーチにより、PYUSD はステーブルコイン市場の潜在的な破壊者として位置付けられている。PYUSD の出現は、既存のプレーヤーと新規参入者が同様に市場シェアと影響力を求めて争う仮想通貨業界のダイナミックな性質を反映している。

Triple-Aはバイナンス(Binance)と提携し、Peak XV Partners(旧社名:Sequoia India & Southeast Asia)の支援を受け、PYUSDを取り巻く動向を注意深く監視。仮想通貨決済セクターへの潜在的な影響に関する期待が高まっており、PYUSD導入は、ステーブルコインの進化と、デジタル金融の未来を形成する際のステーブルコインの役割に新たな章が始まることを示唆している。

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