NYSEニューヨーク証券取引所、仮想通貨市場に合わせて24時間365日の取引を検討

ニューヨーク証券取引所が24時間取引を検討

テクノロジーが金融を再構築するなか、NYSE(New York Stock Exchang:ニューヨーク証券取引所)は、24時間365日の株式取引を可能にするという革命的な動きを検討していることが明らかになった。

この動きは、仮想通貨市場のノンストップ性に大きく影響された投資期待のシフトを反映しており、NYSEは24時間365日の株式取引を可能にするための調査を実施しているとのことだ。これに伴いNYSEは、データ分析チームを通じて調査を開始しており、エヌビディア(NVIDIA、NVDA)やアップル(Apple、AAPL)のような主要銘柄の24時間取引に関する市場関係者の意見を収集していく意向だ。

コロナパンデミックによる個人投資家の変化

24時間取引への関心は、コロナウィルスの流行に端を発した個人投資家の活動の変化に起因しており、Robinhood(ロビンフッド)やInteractive Brokers(インタラクティブ・ブローカーズ)のような個人向け取引プラットフォームは、すでに平日24時間取引を提供している。

これらのプラットフォームは、内部マッチングやブルー・オーシャンのようなダーク・プールを通じてこの取引を促進しており、これらの既存のセットアップとは異なり、24時間365日の公式取引所は大きな進化を遂げると期待されている。また、このような取引所は、SEC(米国証券取引委員会)による厳格な規制監督下に置かれ、透明性と安全性が確保されると同時に、すべての取引が公式の取引に統合され、通常の取引セッションの開始価格に影響を与えることになる。

こうした中、新興企業の24Exchange(24X)が重要なプレーヤーとして台頭しており、当初、仮想通貨取引プラットフォームとして立ち上げられた24Xは、2023年6月、市場需要の低下により仮想通貨スポット商品を中止すると発表した。当初の焦点から転換し、同社は現在、ドミトリ・ガリノフ(Dmitri Galinov)CEO(最高経営責任者)が率いる24時間365日の株式取引を促進することを目指しており、同CEOは、仮想通貨のノンストップ取引への需要が主要な株式にも拡大すると考えているようだ。実際、この戦略的転換は、2021年にスティーブ・コーエン氏のPoint72 Venturesが主導した資金調達ラウンドで調達した1,400万ドル(約21.6億円)以上を含む、多額の投資によって支えられており、2022年3月、24XはMorgan Creek Digitalが主導するシリーズBラウンドで700万ドル(約10億円)を調達している。

一方で、24時間365日取引モデルへの移行には、流動性への懸念や決済リスクなど、いくつかの課題があり、現在、夜間取引は指値注文に限られており、特定の価格条件が満たされた場合に取引が成立し、そうでない場合は朝までに失効するとのことだ。