オーストラリア、増加する詐欺対策で仮想通貨ATMに新たな規制を導入

オーストラリアが詐欺対策で仮想通貨ATMに新たな規制を導入

AUSTRAC(オーストラリアの金融情報機関)は、高齢者を狙った詐欺の取り締まり強化の一環として、仮想通貨ATM運営事業者に対し、厳格な新規制を導入した。

オーストラリアでは、仮想通貨関連詐欺の新たな波に直面。詐欺報告は150件を超え、被害者1人あたりの平均損失額は2万豪ドル(約186万円)を超えた。また、オーストラリア国内に設置された仮想通貨ATMは、2022年の40台から2025年には1,800台以上に急増しており、全国的な仮想通貨ATMの急速な拡大が同国内における仮想通貨関連詐欺増加と深く関与している。

ReportCyberの最新データによると、2024年1月から2025年1月の1年間に、オーストラリアでは仮想通貨ATMを狙った詐欺で310万豪ドル(約2.9億円)以上を失っている。オーストラリア連邦警察(AFP)は、こうした詐欺が特に50歳以上の脆弱層を狙うケースが増えていることを受け、国民の意識向上を促す警告を発した。

高齢者を狙った詐欺の取り締まり強化に向けた厳格な新規制の導入

AUSTRACは、高齢者を狙った詐欺の取り締まり強化の一環として、仮想通貨ATM運営事業者に対し、厳格な新規制を導入した。

AUSTRACのタスクフォースは、仮想通貨ATM取引額全体の約72%を50歳以上の人々が占めていることを明らかにした。被害者の多くは60歳から70歳代で、詐欺は恥ずかしさや認識不足のために報告されないことが多い。AFPは、2024年1月から2025年1月の間に、仮想通貨ATMに関連する詐欺の報告を150件受け、被害額は310万オーストラリアドルを超えているものの、当局は、実際の被害額ははるかに高い可能性が高いと警告している。

今回の措置は、全国の仮想通貨ATMに関連した詐欺行為が急増していることを受けての動きで。AUSTRACは、仮想通貨ATMにおける現金の入出金に5,000オーストラリアドル(約465,000円)の上限を設けている。運営事業者は、詐欺警告の表示、取引監視の強化、顧客デューデリジェンスの強化も義務付けられており、これらの新たな規制は、犯罪者がATMを不正行為に利用することをより困難にすることを目的としている。

AUSTRACは、現金を受け入れる仮想通貨取引所にも同様の上限を検討するよう求めており、AUSTRACのブレンダン・トーマス(Brendan Thomas)CEO(最高経営責任者)は、これらの規制は現在検討中であり、法執行機関や業界関係者と協力して必要に応じて調整される可能性があると述べたうえで、次のように述べている。

これらの条件は、犯罪者が個人を仮想通貨ATMに誘導することを阻止することで詐欺から個人を保護するとともに、企業を犯罪による搾取から保護することを目的としています。

 

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