イーサリアム財団が調査中というニュースでトレーダーはパニックに陥る

イーサリアム財団が調査中というニュースでトレーダーはパニック

イーサリアム(Ethereum)財団が州当局の調査を受けているというニュースが広まり、イーサリアム界隈は混乱に包まれたことが明らかになった。

このニュースが広まると、ETH価格は数時間で6.4%急落したが、世界第2位の仮想通貨に対する実際の法的措置というよりも、全体がFUD(※Fear=不安、Uncertainty=不確かさ、Doubt=疑念の頭文字をとった新語で、仮想通貨市場に対して蒸気を煽るネガティブキャンペーン)を煽る誤報であったことが判明したと。大手メディアCoindeskはイーサリアム財団に対する無名の国家当局による秘密調査の疑惑を報道。同レポートはイーサリアム財団のGitHubリポジトリを引用し、財団のウェブサイトへのいくつかの変更を指摘した。

フリーランスのイーサリアム フロントエンド開発者であるパブロ・パッチナーリ(Pablo Pettinari)氏は、財団が何らかの政府機関による調査を受けていることを示唆するテキストを削除しており、同氏が削除したテキストは、どの政府機関も秘密裏に財団に接触していないという免責事項だったとのこと。これに対して同氏は、機密保持の要件を含む国家機関からの自発的な問い合わせを受けたため、削除が行われたと指摘している。

FUDに煽られ売りが誘発される

イーサリアムトレーダーたちは、イーサリアム財団が召喚を受けたというニュースを共有しており、フォーチュンは複数の米国仮想通貨企業が証券取引委員会から召喚状を受け取ったと報じている。

予想通り、イーサリアム財団が国家当局の調査を受けているというニュースは市場を大混乱に陥れ、多くの人々がソーシャルメディア上でこの出来事に対する独自の解釈を共有した。金融弁護士のスコット・ジョンソン(Scott Johnsson)氏は、この動きは今後予定されているスポットETH ETFの承認に関係している可能性が高いと指摘。@hussというユーザー名の仮想通貨トレーダーは、SECはスポットETH ETFの申請を却下する理由を探していた可能性が高いと推測している。

一方で、Cinneamhain Venturesの創設者で仮想通貨トレーダーのアダム・コクラン(Adam Cochran)氏は、キャッチーな見出しはクリックベイトに過ぎないと主張したうえで、イーサリアム財団はいかなる調査も受けていないと指摘した。さらに同氏は、イーサリアム財団が調査中であるというフォーチュン誌の最新情報にも言及しており、同トレーダーは、このニュースはゲンスラー氏の暗号全般に対するキャンペーンを裏付けるものに過ぎないと主張した。実際、FUDによるETHトークンの投棄は、トークンにはほとんど影響を与えておらず、当初は暴落したものの、買い手がディップを買うために市場に参入したため、ETH価格は回復している。

この値動きは、価格操作の可能性が高いことを示唆しており、SECの調査というニュースが価格を下げ、FUDに煽られた売りが誘発され、参加者が余分な供給を買い、資金を蓄えながら売り圧力を吸収したようだ。