イスラエルで有利子機能付きCBDCを導入へ
イスラエル銀行は最近、独自の機能を備えた新しいCBDC(中央銀行デジタル通貨)をサポートする計画を明らかにした事が分かった。
同銀行は、年中無休の取引、プライバシー保護、利息が発生するという独自の機能を備えたデジタルシェケルの概要を説明しており、これには、デジタルシェケルに利息が発生する可能性がある。この発表は2024年3月11日(月曜日)にされ、最先端の金融技術とプライバシーへの配慮を組み込んだデジタル通貨のビジョンを概説。提案されているCBDCは、国内の決済システムの効率を高めることを目的としている。
デジタルシェケルは2層モデルで動作し、24時間365日利用可能な即時トランザクション、複数の支払いサポート、オフライン機能が約束されている。また、CBDC には残高に関する制限が組み込まれているが、最も注目されている機能の1つは、有利子オプションだ。このオプションにより、デジタルシェケルは消費者にとっても投資家にとっても同様に潜在的に魅力的な資産として位置付けられる。
プライバシーと金利動向
発表の中でイスラエル銀行は、プライバシーの問題を強調している。
デジタルシェケルのアーキテクチャは、中央銀行による個人データへのアクセスを制限するように設計されており、エンドユーザーの残高や取引に関する情報を持たなくなるという。このアプローチは、運用の透明性とユーザーのプライバシーのバランスを取ることを目的としている。
デジタルシェケルの利子がつく可能性は、CBDCの状況に新たな側面をもたらす。イスラエルの商業銀行は現在、法定シェケル預金に4.86%の金利を適用しているが、デジタルシェケルにより銀行は無利息で短期流動性の中に含められるようになる。中央銀行は、CBDCのデータ構造が保有制限と、ユーザーのタイプや残高規模に合わせた利息の適用をサポートすると概説している。
イスラエル銀行はCBDC立ち上げに慎重
イスラエルは2021年からデジタルシェケルを発行するというアイデアを模索してきたが、パイロットテストは実施されていない。
同銀行は、デジタルシェケルシステムのコンポーネントの相互接続性のため、その導入に関する決定は暫定的なままだと述べている。また、同銀行は、イスラエル国内でステーブルコインの使用が増加した場合、デジタルシェケルへの動きが加速する可能性があると示唆。この潜在的な触媒にもかかわらず、中央銀行は、国内では決済におけるステーブルコインの採用がまだ顕著なレベルに達していないと指摘。この慎重なアプローチは、CBDC導入の複雑さと綿密な計画とテストの必要性を反映している。