ダボス会議2024でAIが注目を集め、仮想通貨は背景に追いやられる

ダボス2024で仮想通貨がAIに取って代わられる

世界経済フォーラム2024年次総会では、AI(人工知能)が仮想通貨の座を奪い、テクノロジー界に大きな変化をもたらしたことで、より一層の注目が集まっている事が分かった。

ChatGPTやGoogle Bardなどのツールの人気によって加速されたAI台頭により、過去の会議で多数を占めていた仮想通貨企業は傍観者に追いやられる形となった。今年のダボス プロムナードはスイスのスキーリゾート街のメインストリートで、著名テクノロジー企業が自社AI製品やサービスを展示する。注目しておきたいのは、いくつかの企業が協力し、テクノロジーの可能性を議論し探求するための専用スペースである「AI House」を設立している。

AI Houseのウェブサイトによると、人工知能は2023年のダボス会議で顕著な問題となって以降、議論はさらに大きく複雑になるばかりである。この新しいテクノロジーの可能性が世界中でさらに広く認識されるようになるにつれ、議員、学者、ビジネスリーダーが一堂に会して話し合い、質問し、解決策を提供することが急務である。仮想通貨からの移行は投資傾向にも明らかで、PitchBookの最新データによると、AIおよび機械学習のスタートアップ企業は過去3カ月間で6億ドル(約884億円)の投資を集めたのに対し、Web3およびDeFi(分散型金融)会社はわずか1億ドルである。さらに、AI大手Nvidiaは2023年に株価が240%上昇した。

仮想通貨の進化

著名なステーブルコイン発行会社であるCircle(サークル)のダンテ・ディスパルテ(Dante Disparte)CSO(最高戦略責任者)は、この傾向について楽観的な見方を示している。

同氏によると、現在プロムナード沿いに仮想通貨ハウスはほとんどなく、ほとんどがAIハウスだったとのこと。同氏はこれを前向きな発展、つまり仮想通貨が“背景技術”になりつつあることを示していると見ている。同CSOは、ドットコムバブルとその後の日常生活へのインターネットの統合に類似点を描く。

ダボス会議での存在感は低下しているにもかかわらず、仮想通貨業界は回復力の兆しを見せており、ビットコインの価値は2023年に150%上昇し、SEC(米国証券取引委員会)がビットコインETFを承認したことで、この資産クラスの正当性がさらに高まった。さらに、Web3イノベーターはAIと暗号を組み合わせる方法を積極的に模索しており、カルダノ(Cardano/ADA)のAIチャットボットGirolamoや、シバイヌ(ShibaInu/SHIB)のBad Idea AIなどの取り組みがそのような統合の可能性を示唆している。

2024 年のダボス会議では AI が見出しを独占しているものの、テクノロジーの未来はこれら2つの強力な力の融合にあると考えられている。長期的には、人類の進化を高めるという最終目標に向け、AIと仮想通貨のより直接的な統合が期待されている。ダボス2024で注目を集める中、AIが焦点として浮上し、仮想通貨は二次的な役割に追いやられている。この変化は、AIが中心的な舞台となり、テクノロジーとイノベーションの進化する状況を浮き彫りにしている。

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