ワールドコイン(Worldcoin)は需要拡大を受けてインドでオーブ(Orb)検証サービスを停止

ワールドコインはインドでオーブ(Orb)検証サービスを停止

虹彩をスキャンで一躍世界中から注目を集めた仮想通貨プロジェクトワールドコイン(Worldcoin)は、需要の高まりに対応できなかったため、インドでのオフラインのOrb検証サービスを一時停止したと報じられている事が分かった。

インドは、世界の企業にとって最大の市場の1つで、サム・アルトマン(Sam Altman)氏がワールドコインを立ち上げた際、同社は国内に18のオフラインOrb(オーブ)検証拠点を設立している。ワールドコインのOrb検証場所は、ショッピングモールなどの公共の場所に群衆を集めていた。7月、Bitinningの創設者であるカシフ・ラザ(Kashif Raza)氏は、X(旧Twitter)の場所の1つからの長蛇の列の写真を共有し、次のように述べている。

日本語訳:
おそらく、ワールドコインに最も関心があるのはインドです。
バンガロールのモールの外では、モール管理者が群衆を管理できずに長い列が見られました。
インドの規制当局もそのことについて情報を得ているのでしょうか?
欧州はすでにそれを精査している。

しかし、ウェブサイトに掲載されるインドの場所は徐々に減り始め、8月に仮想通貨インフルエンサーのアディティヤ・シン(Aditya Singh)氏は、インド当局がワールドコインの運営に対する取り締まりを開始したのではないかと疑問を抱き、ツイッターで次のように述べている。

日本語訳:
ワールドコインにはインドにOrb虹彩スキャン用の場所が10カ所以上ありましたが、現在は1カ所のみに減りました。
何が起こったのかは分かりませんが、おそらく当局はついに行動を起こし、質問を始めたのでしょう。

ワールドコインは、インドでのオフラインOrb検証サービスを完全に停止しました。開発に詳しい関係者はマネーコントロールに対し、オーブが急増する需要に対応できなかったため、サービスが一時的に停止されたと語ったうえで、次のように説明している。

インドでのOrb認証サービスは、インドでの登録のための、大規模な需要に応えるためのオーダーメイドの安全で秩序あるプロセスの展開に取り組んでいるため、一時的に縮小されました。


規制のハードル

インドを除けば、ワールドコインは多くの国の当局から監視を受けており、フランスのプライバシー監視機関が虹彩データ収集の合法性に疑問を呈している。

それに先立ち、同月には英国情報コミッショナー局により、ワールドコインプロジェクトについてさらなる調査を行うと発表している。さらに、8月上旬にはケニア警察がナイロビにあるワールドコイン倉庫の家宅捜査を実施し、機械の一部を押収した事が報じられている。なお、この家宅捜査は、ケニア政府が8月2日にワールドコインの運営を停止した後に実施されている。