英国の金融監視機関、ジャスティン・サン氏のポロニエックス仮想通貨取引所について警告

ポロニエックス(Poloniex)警告リストに掲載

トロン(TRON/TRX)の創設者ジャスティン・サン(Justin Sun)氏が所有する仮想通貨取引所ポロニエックス(Poloniex)は、2023年11月下旬に発生した1億ドル(約143.7億円)のハッキング事件を受けて、FCA(金融行動監視機構)の警告リストに掲載されたことが明らかになった。

Poloniexが、必要な許可を得ずに金融サービスを提供しているとして、FCAの監視下に置かれたとのこと。2023年12月6日(水曜日)に公表された警告ページによると、PoloniexはFCAの許可なく金融サービスや商品を宣伝している可能性がり、同取引所が英国の人々をターゲットにしている可能性があるとして、同取引所との取引を避けるようユーザーに警告。FCAは声明の中で、次のように述べている。

この会社は当社の許可なく金融サービスや商品を宣伝している可能性があります。この業者との取引は避けるべきです。企業や個人は、必要な認可や承認なしに英国で金融サービスを宣伝することはできません。


FCAは金融法の保護を当てにしないよう一般市民に忠告

FCAは認可を受けていない団体と取引をする際には、金融法の保護を当てにしないよう一般市民に忠告しており、2020年以降FCAは、登録を求める仮想通貨企業から291件の申請を受けたが、そのうち認可されたのは38件のみであることを8月に公表している。

さらに、10月にはKuCoinやHTXを含む140の仮想通貨取引所が警告リストに含まれていると発表しており、それ以降、PayPal UKは規制当局が認可した唯一の事業者である。実際、2023年11月に仮想通貨ハッキングによる金融損失が大幅に急増し、損失総額は3億ドル(約431.5億円)を超えている。なお、この急増は、ハッカーが取引所のホットウォレットに侵入し、資産の大幅な不正引き出しにつながったPoloniexの1億ドルのハッキングによってもたらされている。

FCAは仮想通貨ビジネスの監視を強化

2023年5月にPoloniexは制裁対象国のユーザーに対し、同社のプラットフォームでデジタル資産を取引することを許可していたとの告発を解決するため、760万ドル(約11億円)を支払うことに合意している。

OFAC(米国財務省外国資産管理局)によると、仮想通貨取引所は2014年から2019年にかけて、制裁対象地域の顧客のために、プラットフォームがKYC(顧客確認情報)とIPアドレスデータを処理していたにもかかわらず、総額1,500万ドル(約21.5億円)を超える6万5000件以上の取引を処理していたという。このハッキングは、今年2番目に大きな秘密鍵の漏えいであったため、FCAは仮想通貨ビジネスの監視を強化しており、FCAは新しい仮想通貨プロモーション規制の初日に146件の警告を発している。