JPMコインがPartiorデビューで銀行間取引に期待高まる
JPモルガンの公式トークンであるJPMコインは、ブロックチェーンベースの銀行決済システムであるPartiorでデビューしたため、銀行間取引に使用される可能性があることが分かった。
JPモルガン、DBS銀行、テマセク、スタンダードチャータードが共同で立ち上げたこのプラットフォームにより、顧客はブロックチェーン資産を使用してこれらの銀行間で価値を取引できるようになる。JPモルガンが同一銀行間取引で数十億ドルを決済するために使用するブロックチェーントークンJPMコインは最近、ブロックチェーン資産を使用した銀行間取引を特徴とするブロックチェーン台帳Partior でデビューし、その利用が拡大する可能性がある。
JPモルガンと大手銀行数社との共同事業で立ち上げられたPartiorは、会員との迅速な多通貨取引を特徴としているにもかかわらず、ネットワークは依然としてこれらの取引の結果を決済するためにコルレス銀行業務に依存しており、銀行業務システムの現状を維持している。
1~2年で100億ドル規模に
シンガポールを拠点とするこのプロジェクトはすでに稼働しているが、その内部構造の詳細と使用率はまだ曖昧である。
Ledger Insightsは、DBS 銀行がプラットフォーム上で稼働していると考えているが、他の銀行はまだそれを使用していないと報告。JPモルガンは、2023年5月にPartiorの使用について米国通貨監督庁から異議なしの書簡を受け取り、この種のソリューションを導入する許可をまだ取得していない米国に本拠を置く他の銀行に打ち勝っている。
しかし、JPモルガンのブロックチェーントークンの規模と重要性、そして市場におけるほぼ遍在的な存在を考慮すると、PartiorにJPMコインを含めることでその利用が増える可能性がある。10月にJPモルガンのグローバル決済責任者タキス・ゲオルガコプロス(Takis Georgakopoulos)氏は、このトークンは毎日10億ドル(約1,470億円)の決済に使用されていると主張している。さらに、11月には同社の金融機関決済グローバル責任者であるウマー・ファルーク(Umar Farooq)氏は、同銀行によるこうした数字が飛躍的に伸びると予想しており、今後1~2年で同ネットワークの1日あたりの取引額が100億ドル(約1.47兆円)に達する可能性があると強気の予測・宣言している。