ビットコインホワイトペーパーがBitcoin.orgに復活
Bitcoin.orgウェブサイトの匿名チームであるCobra(コブラ)氏は、クレイグ・ライト(Craig Wright)氏が法廷でサトシ・ナカモトであることを証明できなかったことを受けて、ビットコインのホワイトペーパーをBitcoin.orgに再アップロードした事がわかった。
bitcoin.pdf is back on Bitcoin Core's domain 🧡 https://t.co/rGnLOXrSvc
— Norbert ⚡️ (@bitnorbert) May 23, 2024
bitcoin.pdf が Bitcoin Core のドメインに戻ってきました
2024年3月、英国の高等法院は同氏がサトシ・ナカモトではないとの判決をくだし、ある判事は同氏が広範囲にうそをつき、テクノバブルに関与し、自分が思っているほど賢くないと結論付けている。同氏が著作権侵害でCobra氏を訴えて勝訴した後、裁判所の命令を受けて、Bitcoin.orgは2021年にビットコインのホワイトペーパーのPDFコピーをプラットフォームから削除。匿名グループが匿名性を危険にさらさないように法廷に出廷しなかったため、同氏は2021年の訴訟で勝訴している。そのため、同氏の勝利は不戦勝となり、Cobra氏は41,000ドル(約640万円)相当の訴訟費用を返金する事となった。
敗訴確定後、Bitcoin.orgにビットコインホワイトペーパーを再アップロード
2024年5月23日(木曜日)、Bitcoin.org の管理者であるヘンナディ・ステパノフ(Hennadii Stepanov)氏は、Xを通じてビットコインホワイトペーパーのPDFへのリンクを共有し、この文書がプラットフォームに戻ったことを明らかにした。
ステパノフ氏の行動は、ライト氏の一時的な勝利の覆りと、ビットコインコミュニティの複数セクターから一連の抗議を受けてのものであった。大きな転機として、Bitcoin.orgがビットコインホワイトペーパーを削除した後、複数の出版社が自分のプラットフォームでこのホワイトペーパーを共有。この文書を公開した者を訴えるとライト氏が脅したにもかかわらず、出版社は抗議している。ビットコインコミュニティのメンバーは、この文書を公開した100を超えるウェブサイトのリストを共有。同氏の勝利から3年後、裁判所は、同氏がビットコインの匿名作成者サトシ・ナカモトであることを証明できなかったと判断し、数年続いた議論に終止符を打った。そのため、Cobra氏は、ホワイトペーパーを、最初に公開された元のプラットフォームに再びアップロードした。
ライト氏、複数の訴訟を取り下げる
敗訴を受けてライト氏は、ビットコインの生みの親であるという自身の主張に関する複数の訴訟を取り下げている。
4月11日、同氏はノルウェーで「哀れな詐欺師」と呼んだ仮想通貨インフルエンサーのマグナス・グラナス(Magnus Granath)氏に対する訴訟の控訴を取り下げたほか、英国内での同様の訴訟も取り下げられている。ただし、同氏がCoinbase(コインベース)とKraken(クラーケン)がビットコインに関連する同氏の知的財産権を侵害したと訴えた訴訟などがまだ係争中であるが、これらの訴訟はCOPAの判決による影響を受けると予想される。今回の件についてCoinbaseの
コインベースのポール・グレワル(Paul Grewal)CLO(最高法務責任者)は次のように語っている。
この発表が世界中の他の訴訟に連鎖的な影響を与えているのをわれわれは見てきました。仮想通貨業界外の人々にとっては、漫画のように聞こえるかもしれませんが、ライト氏の主張が却下されたことで、コミュニティは安堵(あんど)しています。われわれはこれが本当の勝利だと考えています。