中国人民銀行が商品のデジタル人民元決済を検討

中国人民銀行は商品やサービスの決済にデジタル人民元利用を検討

中国人民銀行(People’s Bank of China)は、香港とのサービスや商品取引の決済にデジタル人民元の利用を検討している事が分かった。

中国CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)であるデジタル人民元を香港との商品やサービスの決済に適用する可能性を検討。同銀行デジタル通貨研究所のディ・ガン(Di Gang)副所長は、アジア金融カンファレンスである香港フィンテックウィーク中に同銀行がこのユースケースを検討していることを明らかにした。同氏は、香港と本土の協力により、デジタル人民元を使用した天然ガス、石油、その他のサービスの取引とその後の支払いが可能になる可能性があると説明。デジタル人民元の導入により、企業は中国のCBDC活動と比較して高コストで低効率な運営を特徴とする従来の単一決済チャネルを回避できると同氏は主張。個人のアプリケーションシナリオを拡大し、ユーザーエクスペリエンスを向上させるために、本土と香港の間で他のパイロットアプリケーションを検討できる可能性があると強調している。

デジタル人民元のその他の用途

同銀行は、石油を含む商品の支払い方法としてデジタル人民元を国際化する他の応用例も先駆けて開発している。

10月、アジア最大の石油会社の1つであるペトロチャイナ(Petrochina:中国石油天然気)が、上海石油ガス取引センターを仲介としてデジタル人民元で100万バレルの原油購入を決済したとの報道があった。他の決済機関も支払いオプションの一部としてデジタル人民元を採用している。2023年6月、証券決済のトップ3プロバイダーである上海清算書は、商品の一括デジタル人民元決済のサポートを発表し、その利用を奨励するために取引手数料をゼロにすることを発表している。

デジタル人民元の利用は、中国企業が従来の決済手段の利用を避け、経済制裁を回避するのにも役立つ可能性がある。8月にさかのぼると専門家らは、CBDCベースのプラットフォームであるMブリッジ(Mbridge)プロジェクトにおけるデジタル人民元の適用について懸念を表明。このプロジェクトはまだテスト段階ではあるものの、中国、香港、タイ、UAE(アラブ首長国連邦)の経済を結びつけることを目的としており、5,000億ドル(約75.3兆円)を超える取引市場にサービスを提供している。

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