バイナンスが世界のデリバティブ警察になろうとしているCFTCを非難=訴訟却下を求める

バイナンスがCFTCを非難

大手仮想通貨取引所バイナンス(Binance)は、CFTC(商品先物取引委員)が同社に対して起こした訴訟の却下を求める新たな申し立てを提出した事が分かった。

同取引所は、米国を超えてその管轄範囲を拡大しようとする同局の試みを拒否するよう裁判所に求めている。同取引所は、2023年初めに米国のデリバティブ市場規制当局が仮想通貨会社が米国の取引とデリバティブの規則に違反したと主張した訴訟を却下するよう再び米国の裁判所を説得しようとした。CFTCは2023年3月、同取引所とジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)を訴え、少なくとも2019年7月以来、同取引所が米国人に代わって商品デリバティブ取引を提案、実行していたと主張した。なお、これに対して同取引所は7月に訴状の却下を求めたが、委員会は9月に異議を申し立てている。

バイナンスによるCFTCへの非難内容

バイナンスは最新提出書類の中で、規制当局の回答要旨は、管轄権に関する当局の行き過ぎた理論には根拠がないことを裏付けていると主張し、CTFCが米国外に居住し活動する外国の個人や法人を規制しようとしており、規制を無視していると非難した。

バイナンス側の弁護士は、議会はCFTCを世界のデリバティブ警察とはしておらず、法廷は法律で認められている範囲を超えてその管轄範囲を拡大しようとするCFTCの取り組みを拒否すべきであると非難。同取引所は、CFTCが地球上のあらゆる場所での仮想通貨やデリバティブ商品に関連するその他の資産のあらゆる活動を規制できるようにする新たで広範な議論を追加し、「米国の通貨」の新たな定義を考案したと指摘。許しがたい治外法権の主張など、以下の理由を挙げて訴訟の却下を求めた。

裁判所は、世界的な規制範囲を達成するためにトロイの木馬として本件の米国以外の被告に対する攻撃を利用しようとするCFTCの取り組みを拒否すべきである。それは本件をはるかに超えた影響を及ぼし、議会の意図したものではない。

バイナンスは2023年、規制の圧力が高まっており、6月初旬には、同取引所と同CEOを運営する事業体も米国証券法に違反した疑いでSEC(米国証券取引委員会)から訴えられている。さらに、制裁違反の疑いでDOJ(米国司法省)からも捜査を受けている。