デジタル寄付を通じて戦争の影響を受けた国民を支援する「Crypto Aid Israel」が登場

イスラエルで国民を支援するCrypto Aid Israelを立ち上げ

イスラエルの仮想通貨コミュニティのメンバーは、「Crypto Aid Israel」と名付けられた新しい人道的イニシアチブの結成を発表したことが明らかになった。

未明に発表されたCoinDeskのレポートによると、イスラエルの金融機関と規制機関は、この仮想通貨ベースの人道的取り組みを積極的に支援している。あるインサイダーが明らかにしたところによると、これらの銀行は今回初めて、仮想通貨を使った寄付のシステム送金を可能にする仲介役を務める。この新組織は、現在進行中のハマスとの紛争の影響を受けたイスラエル市民に経済的支援を提供することを目的としており、これを促進するために、Crypto Aid Israelはさまざまな仮想通貨での寄付を受け付けるマルチシグネチャーウォレットを運営するとのこと。

現在、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)、テザー(Tether/USDT)がサポートされているが、近い将来、他の仮想通貨もサポートされるようになる予定であるとのことだ。

最大目標は紛争ですべてを失った人々に十分な資金を集めること

仮想通貨の安全な保管を専門とする仮想通貨のカストディ(管理・保管)サービスなどを手がけるファイアブロックス(Fireblocks)社もこの取り組みに参加している。

Crypto Aid Israelは資金移動に対して厳格なポリシーを導入しており、マルチシグネチャーウォレットから資産を移動させるためには、7人の公認署名者のうち少なくとも4人の承認が必要だ。この同盟にはすでに、Fireblocks、MarketAcross、Collider Ventures、CryptoJungle、Israel Blockchain Associationなど複数のメンバーが参加している。

CryptoJungleのベン・サモチャ(Ben Samocha)CEO(最高経営責任者)である氏は次のように述べている。

第一の目標は、紛争によって家を失った家族に食料と避難所を提供するために十分な資金を集めることです。このイニシアチブは、ハマスの攻撃によって影響を受けたイスラエルの民間人が現在直面している課題についての認識を高めながら、必要不可欠な衛生・医療製品を供給することを目指しています。


これまでにも仮想通貨による寄付が受け入れられている

実際、仮想通貨による寄付は、地政学的な緊張や不安の中で繰り返されるテーマとなっており、ウクライナは2022年にロシアとの紛争が勃発した後、ビットコインによる寄付を受け入れた。

親ロシア派は分散型通貨を利用し、ロシア軍のために40万ドル(約6,000万円)を集めたほか、赤十字のような組織は、コロナパンデミックが世界経済を荒廃させた2020年にBTCと仮想通貨の寄付を開始した。

一方で、2019年には、イランの有志がブロックチェーンを利用したプラットフォームを立ち上げ、洪水が地域を襲い、当時数十人の命が奪われた際に、資金を集め、米国が課した制裁を回避している。これらの出来事で注目される共通のテーマは、不透明な時代における資金調達手段としての仮想通貨の有用性を指摘するもので、寄付者や善意の個人が国境を越えて必要な支援を制限なしに送ることを可能にする事が予想されている。