インド、仮想通貨犯罪に対してダークネット監視を導入

インド内務省が仮想通貨犯罪に対してダークネット監視を導入

仮想通貨関連の詐欺が増加する中、インドは決定的な前進を遂げ、仮想通貨犯罪に対してダークネット監視を導入したことが明らかになった。

MHA(Ministry of Home Affairs:インド内務省)は最先端のCIAT (Cryptocurrency Intelligence and Analysis Tool仮想通貨情報分析ツール)を発表しており、このツールは、尊敬すべきインド・サイバー犯罪調整センターによって綿密に作られたもので、インドのサイバー犯罪者との戦いの要となることを目指している。というのも、憂慮すべき数のインド人が仮想通貨詐欺の餌食になっており、強固な対策が急務となっており、CIATの導入はタイムリーかつ不可欠であるとのこと。

この洗練されたツールは、ダークネットを用心深くスキャンし、疑わしい活動に結びついた仮想通貨ウォレットのアドレスにゼロインし、アドレス、タイムスタンプ、日付、サービスの特定の性質などの詳細をキャプチャーし、取引の包括的な記録を提供できる。さらに、CIATは単なる受動的な観察者ではなく、CIATはプロアクティブアラートシステムを備えており、不規則な仮想通貨活動のわずかなヒントで行動を開始できるという。特定のアカウントが疑わしい行動パターンを示したり、取引量が異常に多かったりすると、速やかにアラートが発信される。その結果、当局は迅速に行動できるようになり、悪質な活動がエスカレートする前に抑制できる可能性がある。

CIATは広範なデータベースに全世界の仮想通貨取引所の詳細な情報

警戒監視に加えてCIATの際立った特徴は広範なデータベースにあり、この貯蔵庫には、世界中のすべての既知の仮想通貨取引所に関する詳細な情報が、連絡先とともに網羅されている。

そのため、同データベースは、取引所とのシームレスなコミュニケーションを可能にするため、法執行機関にとって非常に貴重なものと言う。CIAT導入の緊急性は、仮想通貨詐欺の実態から見れば必要不可欠なものであり、最近の数字では、仮想通貨詐欺によって953億ルピーが失われており、深刻な状況を描き出している。

さらに、NCB(Narcotics Control Bureau:麻薬取締局)は、仮想通貨と麻薬関連の悪行との不穏な関連性を強調しており、過去3年間で、そのような事件が38件確認されている。報告書によると、多くのインド人が知名度の高い詐欺に辛辣(しんらつ)な反応を示しており、このような詐欺事件には、インフルエンサーや有名人が関与していることが多いことも報告されている。実際、現地メディアTimes of Indiaの記事によると、ボリウッドスターのゴビンダ氏が仮想通貨詐欺に関与した件で警察が事情聴取をしており、同市は、ソーラーテクノアライアンスのマーケティングキャンペーンにインフルエンサーとして参加していたとのこと。そして8月、警察はソーラーテクノアライアンスの幹部を逮捕し始め、同社の豪華なプロモーションは、インド全土から約3,000万ドル(約44.5億円)を集めたとされている。

仮想通貨詐欺がインドのデジタル環境に影を落とす中、MHAの取り組みは希望の光として輝いており、インドはCIATを通じて、仮想通貨関連の犯罪と戦うだけでなく、犯罪を未然に防ぐことを目指している。このようなツールがあることで、インド国民をデジタルの裏社会の危険から守れると多くの人が期待している。