オーストラリア規制当局はデジタルを利用した不正行為に厳重警戒姿勢

オーストラリア規制当局による仮想通貨の規制と意識

ASIC(オーストラリア証券取引委員会)は、2023年8月28日(月曜日)、オーストラリア国民にリスクをもたらす経済分野に重点を置く決意を発表すると同時に、最新企業戦略報告書の中で、仮想通貨詐欺を規制上の懸念事項リストの最優先事項として考えていることを強調した事が分かった。

同委員会は最新報告書の中で、次のように宣言した。

私たちのもう一つの焦点は、仮想通貨に関わる詐欺と、これらの商品がより一般的に投資家にもたらす害である。ASICは、詐欺、デジタルを利用した不正行為、略奪的な融資行為がますます蔓延する環境において、オーストラリアの消費者と中小企業を保護するためにさらなる執行措置を講じる。


仮想通貨詐欺を規制上の懸念事項リストのトップは仮想通貨規制

ASIC は、オーストラリア国内の仮想通貨詐欺に対処するために実施する予定の一連の活動の概要を説明しており、リストのトップは仮想通貨規制となっており、現時点では多くの国にとって同様の優先事項である。

相委員会は、財務省による協議を経て、消費者保護と市場の健全性に焦点を当てた効果的な規制枠組みの開発を支援すると明記されている。また、ASICは、仮想通貨商品の開示声明を精査すると述べている。規制当局は、高リスク投資の誤解を招く宣伝を提供する企業に対して措置を講じると宣言しており、適切なリスクを開示しない企業も対象にする考えであある事がわかった。

オーストラリアで仮想通貨詐欺が増加中

2023年8月17日(木曜日)、オーストラリアに本拠を置く元仮想通貨金融業者ヘリオ・レンディング(Helio Lending)が、仮想通貨担保ローンを巡り、1年間の有罪判決を受けたことが報道で明らかになった。

同社は、オーストラリアのクレジットライセンスを持っていると主張していたにもかかわらず、ライセンスを持たずに製品を提供していたことが落ちに判明している。また、ASICは仮想通貨について人々を教育することの重要性も指摘しており、次のように宣言している。

暗号資産と分散型金融(DeFi)に内在するリスクに対する国民の意識を高める。

これは、オーストラリア国民に影響を与える仮想通貨関連の詐欺件数が大幅に増加していると報告されている中で行われた。最新報告書では、2022年に3,910人のオーストラリア人が仮想通貨詐欺の被害者となり、損失額は2億2,130万ドル(約324億円)に達したことが明らかになっており、これは、2021年と比べて162.4%の増加に相当する。

最近、オーストラリアの大手銀行が高リスクの仮想通貨取引所への支払いをブロックしている事が複数メディアによって報じられている。NAB(ナショナル・オーストラリア銀行)の詐欺部門責任者クリス・シーハン(Chris Sheehan)氏が、業界基準や規制に合わせるため、複数の取引所への支払いを禁止すると宣言したことが報道で明らかになっている。

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