Bakktがロイヤルティ事業売却で仮想通貨インフラに注力
バックト(Bakkt Holdings Inc.)は、コア事業である仮想通貨インフラとステーブルコイン決済への注力を強化するため、ロイヤルティサービス事業を売却することで事業効率化を図っていくことが分かった。
同社は2025年7月28日(月曜日)、顧客が旅行や商品の特典を提供できるようにしていたロイヤルティサービス部門を、Roman DBDR Technology Advisorsの子会社であるProject Labrador Holdco, LLCに売却することで合意したと発表。売却額は1,100万ドル(約16.3億円)で、2025年第3四半期に完了する予定だ。
この取引には、事業移行を支援するための運転資金、借入金、短期現金ローンの引当金が含まれており、同社のアンディ・メイン(Andy Main)社長兼CEO(最高経営責任者)は次のように述べている。
この取引は大きな節目となる。これにより、私たちは仮想通貨とステーブルコインインフラの発展に全力で取り組み、リソースを投入することができる。
事業売却の背景
今回の売却は、Bakktが3月にロイヤルティサービス分野からの撤退を発表したことを受けてのもので、主要顧客BoA(バンク・オブ・アメリカ)とWebullがロイヤルティサービスおよび仮想通貨サービスに関する契約を更新しないと決定したことが背景にある。
今年(2025年)3月に同社に入社したBakkt共同CEOのアクシャイ・ナヘタ(Akshay Naheta)氏は、仮想通貨およびステーブルコインのサービス提供を強化するため、エージェント型AI(人工知能)を導入する計画だと述べている。
ビットコイン取得資金として最大10億ドルの資金調達計画を発表
6月には、Bakktは将来のビットコイン取得資金として、混合証券発行を通じて最大10億ドル(約1,481.3億円)を調達する計画を発表した。
また、この発表と並行して、同社はクラスA株式と事前資金調達済みワラントを7,500万ドルで公募することを発表。この公募は、同社の仮想通貨戦略を強化することを目的としており、調達資金はビットコイン(Bitcoin/BTC)などのデジタル資産の取得に加え、企業全体のニーズにも充当される可能性がある。
暫定財務諸表も発表される
Bakktは第2四半期の暫定財務諸表も発表し、総収益を5億7,700万ドル(約854.5億円)から5億7,900万ドル(857.5億円)と予測。これは前年同期の5億990万ドル(約755億円)から13%以上増加している。
また、仮想通貨関連の推定収益は5億6,800万ドル(約841.2億円)から5億6,900万ドル(約842.5億円)で、前年同期比14%増となった。
収益見通しは明るいものの、Bakktの株価(BKKT)は月曜日の終値で約5%下落。時間外取引ではさらに27.8%下落。同社の株価は年初から約31%下落しており、キャッシュフローと長期的な持続可能性に対する投資家の懸念が根強く残っている。