中国における画期的な仮想通貨事件
現地メディアの報道によると、中国警察の捜査により、仮想通貨が作戦の中心となった、売上高4,000億元(約7.7兆円)に上る大規模な国境を越えたオンラインギャンブル事件が発覚した事が分かった。
首謀者とされるチウ・モウモウ(Qiu Moumou)容疑者は、当局による2年間の捜査努力の末、現在裁判を受けている。なお、中国では1949年以降、ギャンブルは違法である。今事件は、2021年7月28日に湖北省沙陽県出身のシオン・ソン(Xiong Xong)さんが携帯電話賭博への関与を吉山警察署に届け出たことで明るみになっている。罪のないモバイルゲームとして始まった事態は、ソン氏が賭博行為を目撃したことで暗転。同氏の同僚が多額の資金を蓄えているという。興味をそそられた同僚は、ゲームアプリをダウンロードし、数千元を勝ち取り始めたが、賭け金が増えるにつれて運命は逆転。結果として同僚の損失は100,000元(約193.5万円)を超えたという。
広範な捜査による再規模国際犯罪組織を発見
広範な捜査の結果、中国当局は、活動を隠すために仮想通貨を使用していた大規模国際犯罪組織を発見したと報じられている。
現地メディアの説明によると、当局が資金源を追跡し、作戦の全規模を把握することが極めて困難になったという。しかしその後、複数の州で逮捕につながった結果、14のギャング組織が解体され、130人以上の容疑者が逮捕。コンピューター、携帯電話、キャッシュカードが押収されたという。捜査中に地元警察は1億6,000万ドル(約223億円)を超える仮想通貨を押収している。地元警察はこれを国内で「仮想通貨の回収事件は初」としており、犯罪を促進するためのデジタル資産の使用に関する画期的な事件として報道されている。
中国は2021年に全仮想通貨取引が禁止
2019年に当初は禁止していたが、外国為替を通じて取引は続いていたことから、2021年9月、中国はすべての仮想通貨取引を違法と宣言した。
しかし、それでも何百万人もの中国人が仮想通貨を使い続けるのを止めることはできず、最近では態度を軟化させることを示唆し始めている。中国本土での禁止以降、中国の特別行政区である香港は、デジタル資産ハブとしての地位を確立するための措置を講じるという対照的なアプローチを採用し、世界的な注目を集めている。