NFT詐欺:モロッコ人男性が偽のOpenSeaマーケットプレイスでBored Ape NFTを盗む

DOJは偽OpenSeaマーケットプレイスを作成した詐欺容疑者を起訴

DOJ(米国司法省)は7月10日(月曜日)、偽OpenSeaマーケットプレイスを作成し、2つのBored Ape NFT(非代替性トークン)やその他のデジタル資産を盗んだとして、モロッコ人男性を起訴したことが明らかになった。

スフィアン・オラヒャン(Soufiane Oulahyane)容疑者は、偽OpenSea NFTウェブサイトを作成し、被害者を騙して自分の仮想通貨ウォレットにアクセスするためのシードフレーズを共有させ、合計45万ドルのNFTと仮想通貨を盗んだという。DOJは、ニューヨークで仮想通貨を盗んだとして同容疑者を起訴。ただし、被害者の身元は明らかにされておらず、同容疑者はまた、OpenSeaで被害者のNFT39枚を販売したという。10日の声明で、ダミアン・ウィリアムズ(Damian Williams)マンハッタン連邦検事は次のように述べている。

このやり方はスプーフィングとして知られており、犯罪の手口の中で最も古いトリックの一つである。オラヒャン容疑者は、仮想通貨空間という新しく発展途上の領域で使用するために、この古いツールを適応させた。


NFT市場は荒れた局面

NFT市場全体は現在、BAYCのようなトップNFTプロジェクトのフロア価格が数カ月ぶりの安値をつけるなど、荒れた局面を迎えており、その結果、NFT空間で行われる詐欺も同時に増加している。

政府の調査によると、同容疑者は正体不明の検索エンジンのスポンサーリンクにお金を払っており、リンクをクリックすると、ユーザーはOpenSeaログインページのような偽サイトに誘導されるという。

ユーザーがこの偽サイトでシードフレーズ(※1)を入力するとすぐに、ウォレットはOulahyane氏に移るようになっており、被害者はまた、APR NFTに約1万8,700ドル(約250万円)、DOG NFTにおよそ3,400ドル(約47万円)を費やし、それぞれ9.88ETH(Ethereum/イーサリアム)と1.789ETHを使って購入したという。

(※1)シードフレーズ(Seed phrase)とは…
仮想通貨ウォレット供給者によって生成された乱数の長い英数文字列の単語の事

容疑者は米国に引き渡される可能性大

起訴状によると、同容疑者は2021年9月にこのスキームを実行し、多額の窃盗をしたとされている。

具体的には、主な被害者であるマンハッタン在住のNFTオーナーは、無意識のうちに自分のシードフレーズを詐欺サイトに開示していたとのこと。さらに起訴状では、被害者のウォレットを管理した後、同容疑者はMeebitとBAKC NFT、2つのNFT売却を進めたとされており、被害者は当初、これらのデジタル資産をそれぞれ約9.88ETHと6ETHで取得していた。

同容疑者は、盗んだNFTを正規のOpenSeaマーケットプレイスでオフロードし、不正な収益を被害者の手の届かないウォレットに送金したとされている。同容疑者は、電信詐欺、不正アクセス装置の使用、加重個人情報窃盗、アクセス装置を使用して最低1,000ドルを盗んだ罪に問われている。また、詐欺罪で有罪判決を受けた場合、最高で禁固20年の刑に処される可能性がある。なお、同容疑者は現在、モロッコで拘留中であり、裁判のために米国に引き渡される可能性がある。