エリプティックがChatGPTを統合
仮想通貨リスク管理のトップ企業エリプティック(Elliptic)は6月1日(木曜日)、リスク管理と情報収集業務にLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)ChatGPTを統合する動きを発表した。
声明によると同社は、新たなリスク要因に関するインテリジェンスを、これまでよりも大量かつ迅速に統合し、整理できるようになることを期待しているとのこと。
Elliptic: North Korean hackers stole $2.3B in crypto from businesses from 2017 to 2022, including $721M from Japan, $497M from the US, and $281M from Hong Kong (Nikkei Asia)https://t.co/abeNfsBd5khttps://t.co/undE8tEmJq
— Techmeme (@Techmeme) May 15, 2023
北朝鮮ハッカーは、2017年から2022年にかけて企業から23億ドルの仮想通貨を盗み、その中には日本から7億2,100万ドル、米国から4億9,700万ドル、香港から2億8,100万ドルが含まれている(日経アジア)
同社は、仮想通貨のリスク管理とセキュリティの最前線に立ってきた企業で、2017年から2022年にかけて北朝鮮ハッカーによって与えられた仮想通貨損失に関する報告書(※日経アジアの委託)を発表。同報告書によると、ハッキングのホットスポット4カ所のうち3カ国が日本を筆頭にアジア諸国で占められている。日本はサイバー攻撃により7億2,100万ドル(約1,006億円)の損失を被ったと推定されている。現在同社は、ChatGPTを活用してソリューション改善するための措置を講じている。
エリプティックはリスク分析と脅威検出の機能を強化したい
ChatGPT の統合により、同社はリスク分析と脅威検出の機能を強化することを目指している。
シモーネ・マイニ(Simone Maini)CEO(最高経営責任者)によると、最先端のテクノロジーを継続的に追求することが彼らの使命にとって極めて重要であり、同CEOは次のように語っている。
ChatGPT の成功は、仮想通貨分野の多くの人々の注目を集め、LLMによって実現される可能性に満ちた世界を目の当たりにした。ソラナ(Solana/SOL)は最近、プラグインを通じてLLMを統合し、ユーザーがソラナネットワーク自体と対話できるようにする計画を発表。このプラグインを使用すると、ユーザーは質問し、ChatGPTによって即座に回答されるようになると同時に、ネットワーク上に構築された AI(人工知能)に焦点を当てたプロジェクトに対する助成プログラムも発表した。
仮想通貨プロジェクト、特にリスク管理とセキュリティにおけるAIの使用にはリスクがないわけではない。特により複雑なクエリを処理する場合、LLMの欠点と制限について多くの人が指摘しているのが現状だ。LLMにはまだ改善の余地が大きく、同社ほどの規模のセキュリティ会社にとって、間違いは非常に大きな損害をもたらす可能性があると指摘されている。