ブータンはビットコインマイニング事業を強化するために5億ドル調達を計画

ブータンがビットコインマイニング事業強化へ

ブータンの政府系ファンドであるDHI(Druk Holding Investments:ドゥルック・ホールディング・アンド・インベストメンツ)は、ナスダック上場企業であるBitdeer Technologies Groupと提携し、ヒマラヤの国でのビットコイン(Bitcoin/BTC)マイニング活動をサポートすべき5億ドル(約670億円)のファンドを導入したことが明らかになった。

南アジアの内陸国の政府は、この地域をビットコインマイニングシーンにおけるリーディングファクターとして確立することを決意しているとみられる。そのために、Druk Holding InvestmentsはBitdeerと協力し、5億ドルの資金を調達しており、この資金調達により、ブータンの水力発電資源を活用したグリーン・クリプト・マイニングを同地域で展開することを目的としているとのこと。

ブータンは2017年以来ビットコインに注目していた

ブータンは2017年以来、その膨大な水力発電を利用し、密かにビットコインを生産していた可能性が示唆されており、ビットコインに注目していることが報告されている。

ファンドは5月末に機関投資家を対象に開始される予定だが、DHIとBitdeerは金融支援者としても参加し、ブータンの投資部門CEO(最高経営責任者)であるウジュワル・ディープ・ダハル(Ujjwal Deep Dahal)氏は、ビットコインマイニングセクターへの参入は、同国にとって最もリスクの少ない方法であると考えており、同氏は次のように語っている。

少量で高額な資産、あるいはデジタル資産に注目し、時間をかけて世界的に競争力を持ち、経済を構築できるような位置づけにしようとすることが重要です。

というのも、シンガポールを拠点とする仮想通貨マイニングの大手のBitdeerは、ブータンに100メガワットの事業所を設立することを目標としており、建設は、2023年の第2四半期に開始し、9月までに完了する予定とのこと。情報筋によると、ブータンが早くも2017年にビットコインマイニングのバンドワゴンに飛び乗った可能性を示唆。政府代表は大手メディアのフォーブスに対して、同国は数年前、ビットコインの価格が約5,000ドル(約67万円)だった頃に初期参入者の1人としてエコシステムに参加したと語っている。

年々積極的になるブータンのマイニング事業

ブータンは大規模なビットコインマイニング計画の他に、自国通貨のデジタル版を立ち上げる意向も示している。

企業向けブロックチェーンプロバイダーであるリップル(Ripple)社は、2021年にその目的のため、RMA(Royal Monetary Authority:ブータン王立財政庁)が同社のネットワークを使用することを許可すると発表しており、リップル社は次のように語っている。

本日、ブータンの中央銀行である王立財政庁とのパートナーシップを発表し、リップルのCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)ソリューションを使用し、段階的に試験的に導入する予定であることを誇りに思っています。

RMAは、この潜在的な動きによって国境を越えた決済が改善され、金融包摂が拡大すると期待。リップル社は、ブータンのグリーン政策を考慮すると述べ、CBDCソリューションがその原則に合致すると説明しており、RMAの責任者は次のようにコメントしている。

リップルの持続可能性へのコミットメントは、ブータンにとって重要でした。CBDCソリューションはカーボンニュートラルであり、公開されたXRP Ledgerをベースにしているため、PoW(プルーフオブワーク)型ブロックチェーンに比べて12万倍のエネルギー効率を持っています。

ブータンのビットコインへのアプローチは、年々積極的になっており、マイニング事業が強化されることで、ビットコインエコシステムの強化が期待されている。