ウクライナ当局が4,000万ドルにのぼるロシアの仮想通貨ピラミッドを解体

ウクライナでロシアの持つ大規模仮想通貨ピラミッドスキームが摘発される

SBU(Security Service of Ukraine:ウクライナ安全保障局)は、数百万ドルを稼いだ疑いのあるロシアから発信された仮想通貨ピラミッドスキームを解体させたことが分かった。

SBUにより、「Life Is Good」と呼ばれる偽投資スキームを解明したと、4月4日(火曜日)に発表。その背後にいる詐欺師は、潜在的な顧客に、グローバル企業の株式を取得することで資金を倍増させるよう提案し、有益な投資を約束することで、被害者に法定通貨と仮想通貨を送信するよう説得していたという。このピラミッドスキームの主催者は、1,000 人以上の人々から約4,000万ドル(約52.6億円)を受け取ったとみられる。

Life Is Good には、偽の投資家アカウント維持のためのオンラインプラットフォームがあり、顧客はプロジェクトに新しい参加者を引き付けられれば、配当と「保証された」ボーナスという形で安定した利益をもたらす取引が約束されていた。ウクライナ当局の捜査官によると、10人以上がこの犯罪組織に関与しており、そのほとんどがロシア国民とのこと。なお、2017年にロシアで立ち上げられたこのピラミッドスキームは、ウクライナに地方支店を有していたという。

バイナンス主催トレーニングでウクライナ当局は詐欺スキーム解体へ

2022年2月下旬に始まったロシアの本格的な侵略に続いてピラミッドスキームの主催者は、ウクライナ全土で運営されている取引所ネットワークを通じて仮想通貨を収集するメカニズムを洗練させることにより、スキームへの関与を隠蔽(いんぺい)しようとしていた。

ウクライナの警察および検察が協力して、SBUの役員はキエフにあるLife Is Goodのオフィスを捜索し、コンピューター、携帯電話、会計書類、犯罪行為を示唆するその他の記録や広告資料を押収した。

仮想通貨採用の地域リーダーであるウクライナの法執行機関は、仮想通貨専門知識を向上させており、2023年3月のレポートによると、国のサイバー警察、資産回収管理庁、SBUは、世界をリードするデジタル資産取引所であるバイナンスが主催するトレーニングクラスに参加している。また、2022年11月、ウクライナサイバー犯罪対策部門のサイバー警察は、ヨーロッパ中の駐在員事務所とコールセンターのチェーンを通じて投資家を誘い込むことで、年間2億ユーロ(当時のレートで約272.6億円)を稼いでいたとされる仮想通貨詐欺スキームを解体している。